第3回中国国際輸入博覧会（輸入博）が5日、上海で開幕した。輸入博を通じて多くの出展企業が中国市場に近づき、さらに入り込むことに成功した。一方で、出展される商品も中国市場の新変化・新需要・新動向を映し出している。環球時報が伝えた。

■新市場を生み出す

新型コロナウイルスは経済に大きな影響をもたらすと同時に、新しい市場も生み出した。今回の輸入博は初めて公共衛生防疫専門エリアを設け、米国、ドイツ、スイスなどの国や地域の約50社が出展し、世界最先端の商品、技術、サービスが集中的に展示された。

中国複星医薬の展示ブースには負圧救急車が展示されている。紹介によると、メルセデス・ベンツ社によって改造されたこの救急車はドイツから輸入した空気浄化作用のある負圧フィルター装置が装着されており、患者を移送する際の交差感染のリスクを回避できる。新型コロナウイルス感染状況が深刻化していた時期、この救急車は300台以上生産され、その多くは火神山病院や雷神山病院など、武漢の防疫の最前線で使用された。

複星北鈴（北京）医療科技有限会社の閻克瑋営業部長は「新型コロナ終息のめどはまだついておらず、各地ではこのモデルの救急車の備蓄需要が高く、市場の需要はまだある」と話した。

また医薬保健業界だけでなく、新型コロナで生まれた新しい需要はほかにもある。日本のLIXILグループの大中華地区の陶江CEOは取材に対し、同社では公共施設に適用した非接触型のセンサー蛇口やスマートトイレなどの商品の宣伝を行っていると紹介した。病院での非接触、抗菌の水回り用品も主な需要の1つだ。

■消費のアップグレードから目を離せない

取材中、多くの出展企業は中国の消費のアップグレードは予想をはるかに超えたとコメントした。中国国内の消費水準の上昇につれ、輸入商品の需要はますます高まっており、より高品質の輸入商品の中国進出にチャンスをもたらしている。

ジョージアの出展企業は取材に対し、「以前、中国の消費者はフランスのワインをより好んでいたが、今はジョージアのワインにも興味を示している。試したいという気持ちだけでも、私たちにとって中国市場のドアが開いたことを意味する」と話した。

輸入博という貿易プラットフォームにおいて、売り手だけでなく、買い手も中国の消費者の新しいニーズと好みをいち早くつかむ必要がある。8日、中国の食品スーパー「盒馬鮮生」とチリの企業代表の間で、100万箱の合計2億8000万元のチリ産チェリーの注文契約が結ばれた。

中国の小売グループ「蘇寧」の購買団の馬康団長は取材に応じ、「この2年間で消費の種類と需要の面で新たな変化が現れ、蘇寧グループも商品選択などの面で調整を行っている。フルーツを例にすると、消費者は高価で賞味期限の短い輸入品を好んできており、チェリーやドリアンなどの輸入フルーツの需要は国産フルーツをはるかに超える」と紹介した。

■中国経済を楽観視

ゼネラルモーターズのグローバル執行副総裁で､中国総裁の柏暦（Julian Blissett）氏はインタビューに応じた際、ほかの国と比べ、中国の新型コロナの感染状況は好転し、人々の生活と仕事も通常通りに戻っている。新型コロナが経済全体と自動車産業に影響したのは確かだが、第2四半期は速やかに回復し、第3四半期では立ち直り始めていると話した。また、「中国の経済環境を楽観視しており、2021年の自動車業界の発展に対しても自信を持っている」と語った。（提供/環球網・編集/孫ソウ）