日本の経常赤字が5928億円で新記録、アベノミクスに試練―中国メディア

Record China    2014年1月18日(土) 18時51分

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15日、日本の財務省がこのほど発表した2013年11月の国際収支(速報値)によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引を示す経常収支は5928億円の赤字だった。資料写真。

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2014年1月15日、日本の財務省がこのほど発表した2013年11月の国際収支(速報値)によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引を示す経常収支は5928億円の赤字だった。比較可能なデータがある1985年以降で最大、かつ2カ月連続の赤字となった。人民日報が伝えた。

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経常収支のうち、モノやサービスの取引を反映する貿易収支が1兆2543億円の赤字となった。輸出額は5兆6316円で前年同月比17.6%増加し、これは主に米国への自動車輸出、オーストラリアへの軽油の輸出、中国への飲料ボトル生産用の原料の輸出などが増えたためだ。輸入額は6兆8859億円で同22.1%増加し、原油や液化天然ガスの輸入が増加した。日本企業の海外投資での配当金のやり取りや利息収入などを示す所得収支は9002億円の黒字で、同0.8%増加した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版が14日に伝えたところによると、日本の株式市場は財務省が発表した「弱々しい経済データ」に一部影響されて、14日は昨年8月以降で「最悪の一日」となった。日経平均株価は前営業日比3.1%安の1万5422.40ポイントで引け、今年に入ってから5.3%下がった。

2011年3月以来、日本には33カ月連続で貿易赤字が出現し、規模も拡大を続けている。円安による燃料の輸入価格上昇が貿易赤字の最大の原因だ。円の対米ドルレートの平均は1ドル=約100.03円で、前年同期より23.7%円安となった。過去12カ月間(13年11月までの12カ月間)に日本貿易赤字はその前の12カ月間より4兆3000億円増え、このうち燃料の輸入増加分が2兆9000億円に上り、増加した赤字の3分の2を占めた。日本大学の水野和夫教授によると、赤字増加の主な原因はまず12年以前の米ドル建て原油価格の高騰、次に円安だという。

安倍晋三首相が打ち出す経済政策「アベノミクス」では、金融緩和が最も強烈なカンフル剤役だ。13年末までに、日本銀行(中央銀行)のマネタリーベース(資金供給量)は201兆8000億円に達して同45.8%増加し、過去最高を更新した。日銀は金融機関から国債を買い上げ、その代金を支払う形で市場の資金供給量を増やしてきた。インフレ観測が証券を代表とする資産価格を押し上げており、今年4月に予定される消費税率引き上げ前の住宅や自動車などの個人の駆け込み需要もあって、日本経済の景気を示すデータはここ数カ月上昇している。だがインフレ観測が真に投資のエネルギーに転化するかどうかは未知数だ。あるデータによると、日銀が投入した通貨の大部分は企業や個人には流れず、金融機関が日銀に開設した準備預金の口座にとどまっているという。昨年12月末現在、同口座の残高は約107兆円で、前年の約2.3倍に増えた。また企業の設備投資といった実体経済の情況を反映するデータも国際金融危機発生前の水準を回復していない。

水野教授によると、円安政策がデフレ脱却の作用を果たすか改めて検証する必要がある。円安は製品の輸出価格を押さえ込み、輸入価格を押し上げ、ここから競争力の優位を示す取引条件が悪化しつつあることがうかがえる。アベノミクスが実施されてから一年が経ち、日本の実質国内総所得(GDI)は減少し、世帯購買力も低下した。13年7-9月に、日本の労働者の所得は前期比0.6%減少し、前年同期比では0.3%減少した。肖敏捷(シャオ・ミンジエ)経済アナリストによると、日本企業は海外での現地生産率がますます上昇しており、円安は輸出促進にそれほど大きな作用を及ぼしていない。米国は経済や雇用データの改善に伴って、今年は量的緩和縮小の歩みを加速させ、金利が上昇し始めることは確実で、こうなると円安が一層進行することになる。円安が実体経済や世帯消費に与えるマイナス影響が急速に顕在化するというのが、日本政府が今年直面するであろう「板挟みの難題」だ。またアベノミクスは消費税率引き上げ後の内需縮小の問題も解決しなければならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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