日中関係は「読み誤り」にまだ耐えられるか―中国メディア

Record China    2013年11月29日(金) 10時14分

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28日、中国が東シナ海防空識別圏を設定したとのニュースの波紋がまだ広がるなか、中国政府発の別の情報がまた注目を集めた。資料写真。

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2013年11月28日、中国メディアは高望(ガオ・ワン)氏による「日中関係は『読み誤り』にまだ耐えられるか」と題した記事を掲載した。以下はその内容。

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中国が東シナ海防空識別圏を設定したとのニュースの波紋がまだ広がるなか、中国政府発の別の情報がまた注目を集めた。在日本中国大使館が今月8日、重大な突発的緊急事態の発生時に在日中国人に助力するため、自主的な在留届提出の取り組みを行うと公式サイト上で発表したことにメディアが注目したのだ。

あるメディアはニュースを編集するにあたり、11月8日の「旧聞」を東シナ海防空識別圏設定のニュースと「巧妙に」一緒に並べたうえ、「重大な突発的緊急事態」という言葉を際立たせた。こうした雰囲気の下、多くの人がこのニュースを在日中国人「退避」準備または日中間で「不測の事態」が発生するとの中国政府のシグナルだと解釈した。本当にそうなのだろうか?

まずミクロ的観点から分析する。在留届制度について言えば、領事保護は中国の在外公館にとって日常業務の1つだ。近年、在日中国人が急速に増加し、情報も頻繁に変化している。大使館は在日中国人の学習や仕事の状況、基本情報を把握し、必要時に速やかに助力する必要がある。中国の在日公館は2005年12月15日に日本での在留届制度の実施を決定した。

日本は自然災害の多い国であり、中国公館は前もって取り組みを行って初めて、突発的事態の発生時に混乱せずに対処できる。2011年の東日本大震災によって、在留届制度の重要性はなおさら明らかになった。このため、一定期間が経過するたびに、自主的な在留届提出の取り組みを行うのは極めて普通のことであり、行き過ぎた解釈をする必要はない。たとえ一万歩譲っても、日中間に真に「立て直し困難な」事態が生じた場合でも、中国政府がそのような「婉曲的」な方法で「在留民退避」のシグナルを出すことはあり得ない。それは外交慣例にも一般的な論理にも合わない。

さらにマクロ的観点から日中関係を観察すると、日中はここ数カ月また緊張へ向かう傾向を呈しているが、依然低いレベルの対立である「舌戦」の状態にある。最近日米が盛んに騒ぎ立てている中国による東シナ海防空識別圏の設定でさえ、実際には正常な戦略防御行為に過ぎず、外部が考えるような深刻なことでは決してない。双方の当局の航空機や公船が関係空域、海域で遭遇した際も、撮影する、呼びかけを行うといった「威嚇度の低い」行動のみであることが多い。

目下の緊張状態を受け入れられないレベルにまでエスカレートさせることは日中共に望んでいない。中国は偉大な復興という「中国の夢」を実現する必要があり、日本はいわゆる「アベノミクス経済復興計画」を実施する必要がある。そして太平洋で隔てられた米国は「アジア太平洋リバランス戦略」を実施する必要があり、3カ国共に時間を必要としている。

日本は中国の「偽りの脅威」を米国に報告し続け、自国のカードを強化しようと愚かにももくろんでおり、米側も日本と調子を合わせているが、中国も日本も米国も、東アジアでの偶発的な武力衝突は望んでおらず、地域の平和を確保することが予測可能な未来において3カ国の最低限の共通認識だ。

現在の東アジア情勢は確かに憂慮すべきものだ。だが一触即発の戦争寸前には断じていたっていない。東アジアには中国、米国、ロシア、日本、韓国という大国が集まっている。ひとたび衝突が発生すれば、世界中が耐えられず、全ての当事国が敗者となることをどの国も分かっている。好戦的であることは成熟した、責任ある国の優先的選択肢では決してない。

この大きな前提の下、メディアは東アジア情勢に対してもっと知的で冷静な判断、分析を行うべきだ。今や政府の政策決定に対する世論の影響力は強まっている。メディアは社会責任感を持つべきだ。これ以上民衆に悲観的、不吉な予想を抱かせ、誤ったシグナルを発し、雰囲気をさらに緊張させてはならない。

在日本中国大使館は、自主的な在留届提出の取り組みが、主に自然災害など重大な突発的事態の下で迅速かつ効果的に中国国民に領事救助と領事サービスを行うためのものであることを対外的に明らかにした。これが暗雲に覆われた日中関係において良い情報と見なせることは間違いない。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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