日本企業、「軍団」で東南アジア鉄道産業に進出―中国メディア

Record China    2013年11月5日(火) 21時2分

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5日、JR東日本はこのほど、丸紅や日立などの企業と手を組んで、タイ・バンコク市内の鉄道建設・メンテナンスプロジェクトを受注し、これは日本企業によるアジア都市鉄道ネットワーク進出の一つの成果とみなされている。写真はBTS。

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2013年11月5日、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)はこのほど、丸紅や日立などの企業と手を組んで、タイ・バンコク市内の鉄道建設・メンテナンスプロジェクトを受注し、これは日本企業によるアジア都市鉄道ネットワーク進出の一つの成果とみなされている。環球時報が伝えた。

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日本がこれまでに獲得した都市鉄道プロジェクトには、日立が建設を請け負ったベトナム・ホーチミン市の都市鉄道プロジェクト、住友商事と三菱重工が請け負ったインドネシア鉄道運行管理情報システムのプロジェクト、丸紅が担当するフィリピン・マニラ市の車両・信号システムプロジェクトなどがある。日本企業は競争力向上のため、「軍団になって海外進出する方式」を取ることがよくあり、政府機関と民間組織を通じて現地の各界と良好な関係を築いている。

日本紙の3日付報道によると、JR東日本がこのほど丸紅、東芝の両社と提携してタイの都市鉄道建設プロジェクトを受注した。これはバンコク市内を走る鉄道で、全長は23kmあり、2016年の開業予定だ。受注金額は約400億円(約4億ドル)に上り、車両63台の製造と駅16カ所の建設、レールの架設と信号システムの構築、および10年の長期にわたる設備のメンテナンスが内容に含まれるという。JR東日本は社員20人をバンコクに常駐させ、現地で安全な運行を担う人材を育成する方針だ。高速鉄道の車両は子会社が製造し、送配電ネットワークは東芝が建設し、プロジェクト管理は丸紅が責任をもって担当するという。

バンコクを訪れる中国人観光客のほとんどが、現地の地下鉄(MRT)と都市鉄道(BTS)を利用する。この2本の路線からなる公共交通網が四方八方に通じており、これに乗ればバンコクのあちこちの観光スポットやショッピングセンターに行くことができる。東南アジアの人気都市バンコクでは、MRTとBTSのおかげで人々の移動が非常にスムースで、タイ政府は路線の拡張を考えている。

MRTは1997年に建設がスタートし、04年7月に開通し、建設費用は27億ドル(約2700億円)に達した。MRT建設費用の多くは日本政府がタイ政府に提供した政府開発援助(ODA)によってまかなわれ、日本企業の大林組、東急建設、西松建設が建設に加わった。MRTの駅の多くで、タイと日本の国旗のマークを目にすることができ、これは日本からタイへのODAを記念したものだという。このような歴史的かかわりがあるため、このたび日本の3企業がバンコク都市鉄道拡張建設プロジェクトを一息に受注できたことは不思議でも何でもない。BTSは95年に建設がスタートし、99年12月に開通した。ドイツの技術を採用し、車両はドイツ企業が製造していたが、10年からは中国の長春軌道客車株式有限公司が研究開発した車両を使用するようになった。タイで発行される日本語週間新聞「バンコク週報」の宮内努記者によると、中国の高速鉄道と都市軌道交通の車両技術が成熟するのに伴い、日本は東南アジアで中国との競争を意識するようになったという。

だがアジアの高速鉄道をめぐる戦いで、日本はまだトップに立っていない。ドイツのシーメンス、フランスのアルストム、カナダのボンバルディアの3社が世界の鉄道建設のシェアを半分以上占めており、中国の高速鉄道はまだ日本の主要な競争相手ではない。

ここ数年来、日本政府は東南アジアの鉄道インフラ建設向け輸出の推進に力を入れ、新幹線をアピールする「新幹線外交」を長らく展開してきた。10年にはベトナムがハノイ-ホーチミン間の全長1555kmに及ぶ高速鉄道の修理プロジェクトを日本企業にまかせることを決定し、投資額は560億ドル(5兆6000億円)に上った。このプロジェクトは12年に着工している。シンガポールとマレーシアの両国は今年2月、シンガポールとマレーシアの首都クアラルンプールを結ぶ高速鉄道を建設することで合意。同鉄道への投資額は約80億シンガポールドル(約6300億円)から120億シンガポールドル(約9500億円)に上る見込みだ。中国、日本、フランス各国の企業がこのプロジェクトに高い関心を示す。JR東日本は受注を目指し。3月にシンガポールにアジア初の在外事務所を設立し、調査や情報収集を開始した。

実際のところ、日本企業は1950−60年代から東南アジアへの進出を進めており、大きな勢力としっかりした地盤をもっているといえる。日本の東南アジアでの経営には2つの特徴がある。一つは企業がよく軍団になって進出することで、今回のプロジェクトに向けた取り組みでは、金融と調整を担当する総合商社、運行の技術と経験を擁する鉄道会社、車両の製造を行う川崎重工と日立、信号・通信設備で優位に立つ三菱重工、運行システムが得意な東芝、土木工事を担当する大手請負業者が「日本同盟」を組織した。もう一つは日本貿易振興機構JETRO)や日本商会といった政府・民間機関が日本企業に東南アジア諸国の政治、経済、法律、税金など各分野の情報を与えるとともに、各種のイベントを開催して、東南アジア諸国の政府関係者や商工界の関係者と良好な関係を築き、日本企業にさまざまな便宜を提供している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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