中学校がオバマ大統領の演説原稿を読書教材に、保護者からは懸念の声も―安徽省合肥市

Record China    2013年9月7日(土) 7時50分

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5日、中国安徽省合肥市にある寿春中学では、生徒全員が早朝読書の授業時に米オバマ大統領の演説原稿を読んでいる。保護者からは「なぜ授業なのに教科書を読んだり詩を暗記したりするのではなく、米大統領の演説を読んでいるのか」と心配する声が上がっている。資料写真。

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2013年9月5日、中国安徽省合肥市にある寿春中学では、生徒全員が早朝読書の授業時に米オバマ大統領の演説原稿を読んでいる。保護者からは「なぜ授業なのに教科書を読んだり詩を暗記したりするのではなく、米大統領の演説を読んでいるのか」と心配する声が上がっている。

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同中学には100クラス3000人以上の生徒が在籍。全員が学校から配布されたオバマ大統領の演説原稿を朝の読書の授業時に読んでいる。このスピーチは2009年9月8日に米バージニア州アーリントンのウェークフィールド高校の始業式で行われたもの。演説の中でオバマ大統領は学校へ通う意義について「なぜ学校へ行かなくてはいけないのか?それは、教育があなたたちに自分の才能を発見する機会を与えてくれるからだ」と語っている。

さらに、「恵まれない環境の人もいるかもしれない。しかし、外見や出身、経済状況、家庭環境などは、学業をおろそかにしたり悪い態度を取ったりする言い訳にはならない」として、一人一人が自分自身に対して責任を持たなければならないと述べる。そして最後に「どんなことも初めての挑戦で上手くいくとは限らない。最も成功している人は往々にして多くの失敗を重ねた人だ。失敗にとらわれるのではなく、失敗から学ぶことが大事なのだ」と締めくくっている。

しかし、この授業について一部の保護者からは心配の声が上がっている。ある保護者は「いろいろな教材に接するのはいいことだと思うが、このような原稿を教材にしたら米国精神に染まってしまい、子供に文化的影響があるのではないか」と語った。また、別の保護者は賛同を示しつつも、「必ずしも欧米の教材で子供に教える必要はないのでは?中国文化にも多くの優れた古典があり、グローバル化の時代と言っても、民族文化を継承する必要もある。もし子供たちが接するものすべてが外国のものになってしまったら、自国文化に対する関心がますます低下してしまうかもしれない」と懸念を示した。

ただ、記者が同中学の学生に話を聞いたところ、大多数の生徒からは「演説の内容に啓発された」と好評だ。生徒によれば、これまでは先生の授業を聞いて宿題を済ませることで「任務完了」と思っていたが、このスピーチを読んでからは勉強の意義について考え始め、勉強が自分にとって役立つものだと思うようになったという。(翻訳・編集/碧海)

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