福島第1原発の汚染水漏れ、在日中国人の新たな懸念材料に―中国メディア

Record China    2013年9月5日(木) 14時40分

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4日、福島県に住む中国人の数は2008年に最高数の5768人に達したものの、2011年の東日本大震災後に急減し、2011年には3710人にまで減少した。写真は福島駅。

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2013年9月4日、福島県に住む中国人の数は2008年に最高数の5768人に達したものの、2011年の東日本大震災後に急減し、2011年には3710人にまで減少した。日本全体を見ると、在日中国人の数は2012年に回復を始めたが、同県は同年も3527人に減少した。同県の中国人の数が震災前の水準にまで回復するにはまだまだ時間がかかりそうだ。地震が発生して約2年半になるが、福島第1原発事故は未だ解決しておらず、8月には同原発の地上タンクから高濃度の放射性物質を含んだ汚染水約300トンが漏れ、海に流出していた可能性があることが明らかになった。この問題は、福島県の中国人にとって新たな悩みとなっている。中文導報が報じた。

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■放射能におびえる福島県の中国人

福島県に住む陳(チェン)さんは取材に対して、「放射能は心配だが、家族と共にここに住んでいるため、ひとまずはここで生活を続けるしかない」と語る。

地震後、福島県から安穏な暮らしを送る人々の姿が消えた。学校は生徒が外で遊ぶ時間を減らしている。各家庭も外出を控え、週末も県外に遊びに出かけるか、家の中で過ごすかのどちらかだ。

同県福島市に住む別の中国人女性は、「現在、同市の至る所に放射線測量機が設置されている。地震当時に比べれば放射線量は下がっているものの、正常な水準には達していない。そのため、心理的ストレスを抱えている」としながらも、「多くの中国人が既にここに根をおろし、生活の基礎を築いているため、離れられない」と現状を語る。

■野菜を買う時はまず「産地」を確認

地震後、福島県産の農産品の安全性に対する懸念がぬぐえない。そのため、以前は人気商品だったにもかかわらず、まったく売れなくなってしまった商品もある。元々、安さや見た目を重視していた在日中国人も、野菜や果物を買う時は、まず産地を見るようになった。

千葉県船橋市に住む張(ジャン)さんは、「近くのスーパーには福島産のキュウリしかない」ため、今年の夏はキュウリを食べなかったという。

張さんは、「福島県の農家を信じていないのではなく、日本の政府を信じていない。福島県の農家も真相をちゃんと理解していない。原発事故発生から2年半経ったが、東京電力はずっと問題の深刻性を隠蔽している。日本政府も問題をうやむやにしているし、放射能漏れに対する行動もおそく、関連の状況をすぐには報告しない。そして、問題が積み重なり、社会に隠せない状態になってやっと問題を認める」と不信感をあらわにした。

元々、福島県はフルーツ王国と言われ、皇室に献上する桃なども全国で有名で、県民は平穏な生活を送ってきた。しかし、今はそれを食べるにも心配がつきまとうのが現状だ。また、福島産の水産品も安くて質が良いことで知られていた。そのため地震前は、県民は新鮮な水産品を毎日のように食べることができた。同県の漁業が1日も早く回復することを願っている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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