麻生副総理の発言、国内外から非難の声=日本国民が政治の右傾化を知るきっかけに―中国メディア

Record China    2013年8月1日(木) 10時40分

拡大

7月31日、人民日報は麻生太郎副総理の発言を伝えた。「ワイマール憲法はいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。(国民は)それ以上言い争わず、(憲法改正の事実を)受け入れるだろう」と述べた。写真は麻生太郎副総理。

(1 / 2 枚)

2013年7月31日、人民日報麻生太郎副総理の発言を伝えた。日本メディアの先月30日付報道によると、麻生太郎副総理は29日夜に東京で講演した際「(ドイツの)ワイマール憲法はいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの(ナチスの)手口を学んだらどうか。(国民は)それ以上言い争わず、(憲法改正の事実を)受け入れるだろう」と述べた。

その他の写真

麻生氏のこの発言は日本国内と国際社会の双方から強く非難されている。本紙の取材した外国の専門家や学者は「これは全人類に対する公然たる挑発だ。国際社会は激しく非難し、積極的に行動を起こし、日本右翼勢力のさらなる拡張を共に抑え込むべきだ」と次々に表明した。

■ドイツなら「民衆扇動罪」

麻生氏はまた、安倍晋三首相や閣僚が敗戦の日に靖国神社を参拝するか否かについて「国のために命を投げ打った人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かにお参りすればいい。敗戦の日だけに行くことはない」と述べた。日本のアナリストは「麻生氏の発言ににじみ出たナチスに好感を抱く傾向は全世界の注目に値する。国際社会から激しく非難されるだろう。参議院選挙を経て、自民党は衆参両院を押さえた。麻生氏はナチスの手口を参考に、快刀乱麻を断ち、憲法改正をできるだけ早く実現することを望んでいる」と指摘した。

首藤信彦前衆議院議員は取材に「副総理がこのような発言をするとは全く信じがたい。ナチスをストレートに称賛する麻生氏の行為に大変憤りを覚える。ドイツならこうした発言には刑罰が下される。日本にはそうした法律はないものの、麻生氏の発言は非常識であり、政治家として断じて口にすべきではない。麻生氏の発言は日本が人権を軽視している証拠ともされる」と述べた。

元毎日新聞駐独記者の村田信彦氏は「ドイツではナチスを称賛する行為は刑法の『民衆扇動罪』で3カ月以上5年以下の懲役刑となる。オーストリアでは『扇動罪』は2年以下の懲役刑だ。『ナチスの手法を学ぶ』のは5年以上10年以下の懲役刑で、特に悪質な場合は20年以下の懲役刑となる。イタリアは第2次大戦の枢軸国の1つで、ドイツのように立法措置によっては言論を禁じていないものの、圧倒的多数のイタリア人はファシズムとナチズムを恥としている」と述べた。

社民党本部平和市民委員会前事務局長の藤田高景氏は「この発言によって麻生副総理は教養を欠く、愚かな本質を露呈した。ナチスを手本に学ぼうとするこうした発言は全く常識を欠いている。麻生氏は副総理を務める資格がなく、直ちに辞任すべきだ。この発言は、憲法改正が非常に困難であることも証明した」と述べた。

■日本政界の右傾化が招いた常軌を逸した言動

韓国外務省の趙泰永報道官は30日、「麻生氏の発言が多くの人を傷つけたことは明らかだ。ナチス政権への言及が当時の人々、日本帝国主義の侵略を受けた周辺国および良識ある世界の人々にとって何を意味するかは明白だ」と述べた。

韓国は与野党共に麻生氏の発言を激しく非難。与党セヌリ党の洪志晩報道官は「日本の指導者は参議院選挙の結果を理由に過去の軍国主義と帝国主義の幻想にひたってはならない。現実に真っ直ぐに向き合い、国際社会における日本の位置づけを真剣に考えるべきだ」と述べた。最大野党民主統合党の朴用鎮報道官は「麻生氏の発言は軍国主義的野心の露骨な表れだ。韓国政府は日本の右傾化を共同で阻止するよう国際社会に呼びかけるべきだ」と述べた。

韓国漢陽大学日本学国際比較研究所の李康民所長は「麻生氏は『失言製造機』と呼ばれており、かつてその『ビッグマウス』のために首相辞任に追い込まれた。今回の『妄言』には日本政界の右傾化という大きな背景がある。常軌を逸した言動であればあるほど、拍手がわき起こるのだ」と述べた。

シンガポール国立大学東アジア研究所の趙洪シニアフェローは「近年日本では右翼勢力がいくらか台頭している。麻生氏の今回の発言は日本国内の右翼勢力に迎合するものだ」と指摘。「自民党の憲法改正推進は国際社会の制約を受ける。米国も日本が憲法改正の助けを借りてアジアを乱すことは認めない」と述べた。

■日本が隣国との摩擦を激化させ続けることは東アジアの安定にマイナス

ポーランド科学アカデミー政治学研究所アジア太平洋センター長で、著名な東アジア問題専門家のヴァルデマル・ジャック教授は「日本軍国主義とナチスドイツは人類の文明史上最も暗黒の、最も邪悪な一幕だ。日本右翼勢力は侵略の歴史を否認しようとし続けている。これはアジアにとっても世界にとっても非常に危険な傾向であり、世界各国の人々は強く警戒すべきだ。麻生氏の発言は全人類に対する公然たる挑発であり、それ以上に世界の平和的発展にとって極めて大きな脅威だ。国際社会は激しく非難し、積極的に行動を起こし、アジア各国の政府や人々と連携して、日本右翼勢力のさらなる拡張を抑え込むべきだ」と述べた。

韓国・聯合ニュースは「日本の閣僚の靖国神社参拝および戦争犯罪の隠蔽を図る一連の発言によって、韓日関係は持続的な緊張と悪化に直面している」と論じた。

ドイツの東アジア問題専門家は「麻生氏の発言は非常に憂慮される。日本の政治家の右翼的発言は中韓など隣国との摩擦を激化させかねず、東アジアの政治情勢にとってもマイナスだ」と述べた。

■論説:劉江永(リウ・ジアンヨン)清華大学現代国際関係研究院副院長

麻生氏の今回の発言は憲法改正に関するこれまでの日本の発言において最も常軌を逸したものであり、国際社会の高い注目と激しい非難を招くのは必至だ。日本国憲法は日本の根幹をなす大法であり、第96条は憲法改正には衆参両院の3分の2以上の賛成を要すると明確に定めており、国会で十分な討論を経なければならず、国家の根幹をなす大法についての日本国民による十分な協議も必要だ。これは日本の現在の法制の規定であり、国際常識でもある。麻生氏の今回の発言は、日本国民でありながら日本国憲法を尊重せず、民意も尊重していないことの反映だ。ナチスの手口を採用するという言い方は、彼が日本国民を無視し、第2次大戦のファシズム勢力およびその軍事独裁の手法がアジア隣国および日本自身にもたらした深刻な損害を何ら反省していないことを完全に物語っている。1つ確かなこととして、麻生氏の今回の発言によって、日本の民衆は日本政治の右傾化がすでにどの程度まで進んだのかを理解することになる。このため日本国内と国際社会は日本政界の推移を一段と注視する必要がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携