<尖閣問題>2010年以前にあった状況に戻すのは日本にとって悪い合意ではない―田中元外務審議官

Record China    2013年7月26日(金) 20時0分

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26日、田中均国際戦略研究所理事長(元外務審議官)は日本記者クラブで記者会見し、尖閣諸島問題について、「今の緊張を下げるしかなく、基本的には2010年以前にあった状況に復することは、日本にとって決して悪い合意ではない」と強調した。

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2013年7月26日、田中均国際戦略研究所理事長(元外務審議官)は日本記者クラブで講演し、尖閣諸島問題について、「基本的には日本が『静かな実効支配』をしており、中国側も『棚上げ』でいいとしてきたが、中国国民が『日本が実効支配しているのはおかしい』ととらえ出し、中国政府がコントロールできなくなった。日本が主張を変えるいわれはなく、今の緊張を下げるしかない」と指摘。その上で、「基本的には2010年以前にあった状況に復することは、日本にとって決して悪い合意ではない。日中関係がいかに重要かという点から(解決策を)考える必要がある」と強調した。

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田中均氏の発言要旨は次の通り。

外交には強さが必要で、政治力と経済力の2つの基盤が必要だ。その点、安倍晋三首相が参院選で圧勝して、これまでの1年で首相が交代するような状況から脱することができたのはよいことだ。(外交は)長期に政権を担当することになる米オバマ米大統領、習近平中国国家主席、朴槿恵韓国大統領らとのガチンコ勝負となる。現実を見据えて能動的かつ戦略的な外交を行っていただきたい。経済もアベノミクスにより力強さが出てきた。

(アジアの)外交はこれから変化する。これまでと異なり、選択の幅が増えるので座標軸をしっかり持って強い外交を展開していかなければならない。外交論議を盛んにして国民的なコンセンサスを形成していく必要がある。

日中関係では尖閣諸島をめぐり「事故」が起きるリスクもある。基本的には日本が「静かな実効支配」をしており、中国側も「棚上げ」でいいとしてきたが、中国国民が「日本が実効支配しているのはおかしい」ととらえ出し、中国政府がコントロールできなくなった。日本が主張を変えるいわれはなく、今の緊張を下げるしかない。基本的には2010年以前にあった状況に復することは日本にとって決して悪い合意ではない。中国が乗ってくるかが大事なところだが。日中関係がいかに重要かという点から(解決策を)考える必要がある。

(安倍首相は民主主義や人権などの価値観を共有する国々と連携して中国をけん制する外交を展開しているが)中国をいかに建設的な形で巻き込んで変えていくかが(対中外交の)戦略の目的である。『価値外交』と言って疎外するのは目的に合うのだろうか。

1995年の(戦前の日本による植民地支配と侵略を反省した)村山談話は閣議決定され、歴代の内閣が継承してきた。韓国、中国などアジア諸国だけでなく、アジア系人口が増えている米国でも「日本の過去の総括」が問題にされており、村山談話は重要である。(取材・編集/HY)

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