「留守番児童」、出稼ぎの両親と離れて暮らす6000万人に中国社会で注目高まる―米メディア

Record China    2013年7月19日(金) 23時38分

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12日、米誌は「中国の留守番児童6000万人、一体誰が面倒を見るのか」と題した記事を掲載した。都会へ働きに出た両親と離れて農村で暮らす“留守番児童”について、彼らが受ける心理的影響や犯罪との関わり、社会からの注目度などについて論じた。資料写真。

2013年7月12日、米誌アトランティック(電子版)は「中国の留守番児童6000万人、一体誰が面倒を見るのか」と題した記事を掲載した。都会へ働きに出た両親と離れて農村で暮らす“留守番児童”について、彼らが受ける心理的影響や犯罪との関わり、社会からの注目度などについて論じた。15日付で中国メディア・参考消息(電子版)が伝えた。

中国各地で留守番児童に関わる事故・事件が多数発生し、各方面から注目を集めている。今月4日にも、留守番児童2人が木箱の中で窒息死した不慮の事故が報じられた。

両親と離れて暮らすことが留守番児童の精神面に及ぼす影響も少なくなく、彼らが少年犯罪に関与する割合は高い。また、農村に残る祖父母や親戚が扶養しているケースが多いが、彼らは往々にして安全意識に欠けており、管理・監督不行き届きから、児童らが誘拐や人身売買などの犯罪に巻き込まれる可能性も高い。

中国国内のインターネット上では、留守番児童の両親に対し、さまざまな意見が述べられている。あるユーザーは「養育できないなら子供を欲しがるべきでない」と批判する。一方で、「一緒に生活し、子供の成長を見守りたいと願わない親なんてどこにいる?だけど、今のこの物質社会で彼らにそれが可能だろうか?」など、理解を示す意見も多い。

こうした留守番児童は中国全土で約6000万人存在すると推計されているが、留守番児童が多数存在し続ける原因には、経済的要因だけでなく、さまざまな社会的要素も存在する。

農村部では働き口が少なく、収入を稼ぐ手段が限られる一方で、都市部では大規模な投資によるインフラ建設が進み、建設作業員などのニーズが豊富に存在するため、農村から都会へ出稼ぎに行く人々は後を絶たない。ただし、戸籍制度上の関係で、農村出身者やその子女は都市部住民と同等の教育や医療サービスを受けられないため、たとえ子供を帯同したくても実現が難しいのが現状である。

記事は「留守番児童解消への対策・政策は多方面から進められているが、そのペースは非常に遅い。ただし、既存媒体やネット媒体が注目することによって、社会全体の問題意識は高まってきている」と結んでいる。(翻訳・編集/HA)

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