倍政権は「短命」に終わらぬ可能性―中国専門家

Record China    2013年6月26日(水) 22時36分

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25日、国際金融報が伝えたところによると、日本の東京都議選は23日に投開票が行なわれ、自民党は候補者59人全員が当選して第1党の座を奪還した。資料写真。

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2013年6月25日、国際金融報が伝えたところによると、日本の東京都議選は23日に投開票が行なわれた。同日夜に発表された開票結果によると、自民党は候補者59人全員が当選して第1党の座を奪還、連立与党を組む公明党も候補者23人全員が当選し、両党を合わせて過半数を獲得する圧勝を収めた。参院選の「前哨戦」である都議選の結果は、投票先を決めかねている一部の有権者にとって参考になるかもしれないと専門家は指摘する。

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■「中間テスト」で勝利

「都議選は安倍政権の政治的業績をチェックする『中間テスト』と見なせる。参院選は安倍政権の半年間の執政成績をチェックする『期末テスト』だ」。中国社会科学院日本研究所の専門家、厖中鵬(パン・ジョンポン)氏は国際金融報の取材に「都議選は地方議会選挙に過ぎない。しかし、東京都が日本の首都、政治の中心であること、そして参院選を7月21日に控えていることから関心が高い。日本の政界では東京都の政治を押さえることのできた者が、政府で一層の権力を獲得すると見込まれる。都議選の雰囲気は全国的な参院選への『ウォーミングアップ』の作用を果たしている」と指摘する。

2009年の都議選で自民党は総崩れし、40年余り維持してきた第1党の座を失った。4年後の今日、同党は「失地回復」に成功した。一方、第1党だった民主党は今回の選挙で43議席から15議席へと大幅に後退。日本共産党は17議席を獲得し、民主党を抜いて第3党へと躍進した。日本維新の会は34人の候補者を擁立したが、2人しか当選しなかった。

厖氏は「7月の参院選で他の政党はいずれも安倍氏が率いる自民党のライバルではない。民主党はすでに総崩れで、生活の党と社民党も再起不能。維新の会は橋下徹代表の舌禍の下、参院選ではいくらも議席を得られない。日本共産党は都議選で大きな成果を上げたが、参院選でも優勢を保てるかどうかはなんとも言えない。このため自民党と公明党、および安倍内閣がミスを犯さない限り、とりわけ安倍内閣が橋下氏のような致命的発言をしない限り、両党は順調に参議院を制することができる」と指摘した。

■参院選の勝利はほぼ決まり

安倍氏の率いる自民党の圧勝は「アベノミクス」への人々の賛同と期待による点が大きいとアナリストらは指摘する。日本のメディアによると、民主党の海江田万里代表は選挙演説で株価の急落を受けて「アベノミクス」の危険性を批判したが、大きな効果は上がらなかった。厖氏は「『アベノミクス』は有権者の士気を鼓舞した。有権者は『アベノミクス』が利益をもたらすと本当に思い、特に円安を通じて目にした『経済効果』によって、『アベノミクス』に差し当たり賛同した」と指摘する。

日本の新聞社とテレビ局が21-23日に実施した共同世論調査では、安倍内閣の支持率は日経平均株価と円相場が最近調整局面に入ったことなどを受けて、5月と比べ2ポイント下落したが、それでも66%の高水準を維持した。「アベノミクス」を評価する回答者も55%に上った。26日の通常国会閉会に伴い、与野党の選挙戦が正式に幕を開ける。自民党は都議選の勢いに乗って参院選で勝利を目指す。厖氏は続く選挙戦でも自民党は「経済カード」を切り、「アベノミクス」を大いに発揚すると見る。一方公明党は「保守、中立、公道」という一貫した特色を引き続き保持し、9条を中心に憲法改正への反対などで論陣を張るだろう。

厖氏の分析では、日本共産党は引き続き反原発、集団的自衛権の行使反対の旗を高く掲げ、憲法改正に反対し、自民党の政策を批判する。最大野党・民主党は反原発など自民党と異なる政策をいくつか打ち出すかもしれないが、勢力が大幅に衰えており、新たな綱領を打ち出しても逆転は難しい。

■「安倍ドクトリン」が間もなく登場する

近年日本の国会は衆参両院を異なる政党が支配する「ねじれ国会」の状態をしばしば呈し、様々な政策決定や法案が頓挫して、民衆の不満を招いてきた。「ねじれ国会」の現状を解消し、安定政権が樹立されることを日本社会は一致して期待している。

「安倍氏の率いる自民党が圧勝し、参議院を支配することができれば、安倍政権は『ねじれ国会』の『呪い』を打破し、2-3年の長期政権となって、全ての政策を推し進めることとなる。自民党が圧勝できなかったり、数議席伸ばすだけで『ねじれ国会』を解消できなければ、安倍政権は自民党内で求心力を失い、退陣を迫られる。このため安倍氏の率いる自民党にとって、7月21日の参院選は負けることのできない選挙だ。そしてその勝利は圧勝でなければならない」と厖氏は指摘する。

現在の状況を見ると、安倍氏が「圧勝」を収めるのは決して難しいことではない。甘利明経済財政相はこのほど、安倍首相は内閣の機能を強化し、経済改革を推進するため、参院選後に内閣を改造するとの見方を示した。

厖氏によると、安倍氏が首相の権力を完全に固めた時が「安倍ドクトリン」が形を整え始める時でもあり、「アベノミクス」は安倍氏を盛り立てるために安倍氏自身、およびそのブレーンが操った手練手管に過ぎない。参議院を押さえれば、「アベノミクス」も政治的使命を一応果たしたことになる。その後、「安倍ドクトリン」が登場すると考えられる。「安倍ドクトリン」は経済、政治、外交、さらには軍事を含む一揃いの政策綱領だ。「安倍ドクトリン」の第1の目的は安倍内閣を小泉純一郎内閣に続く第2の長期政権とすること、第2の目的は「安倍ドクトリン」の導きの下で日本を経済的苦境から脱却させ、集団的自衛権を行使し、海外に派兵することのできる強大な国家にすることだ。また、安倍氏を「傑出した首相」「歴史に名を残す」首相として描き出すものである。(提供/人民網日本語版・翻訳/ NA・編集/武藤)

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