クレジットカードを海外サイトで不正使用される事件が多発―中国

Record China    2013年6月25日(火) 16時40分

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21日、朝目が覚めると、クレジットカードで1万元(約16万円)以上支払ったことを知らせるショートメッセージが届くが、その時間はちょうど寝ていたはず。誰かのいたずらか詐欺メールを疑うのが多くの人の最初の反応だろう。資料写真。

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2013年6月21日、朝目が覚めると、クレジットカードで1万元(約16万円)以上支払ったことを知らせるショートメッセージが届くが、その時間はちょうど寝ていたはず。誰かのいたずらか詐欺メールを疑うのが多くの人の最初の反応だろう。

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最近こうしたショートメッセージを受け取った徐さんも、最初は友人の悪ふざけだろうと思った。事態の深刻さに気づいたのは、銀行に確認した後だ。

「5月11日に携帯の電源を入れるなり、たくさんのショートメッセージが届いていました。私のクレジットカードを使って1万元以上支払われたことを知らせるもので、どれも未明から午前6時までに使用されており、ほぼ限度額いっぱいでした」と徐さんは話す。「しばらくあっけにとられてから、すぐに銀行に電話して口座を凍結してもらいました。調べてみると確かにカードを使用した記録があり、しかも全てオランダとフランスのウェブサイトでした」。

まさかクレジットカードに足が生えて、真夜中に外国まで歩いて行って買い物をするわけがない。

徐さんはクレジットカード情報を盗まれ、海外のサイトで不正使用されたのだという。「私は以前、フィリピンのウェブサイトでホテルを予約したことがあります。たぶんそれでカード番号を盗まれたのでしょう」。

中国でクレジットカードを使用する際は暗証番号の入力を選択できる。だが海外ではクレジットカード番号と裏面に印刷された3ケタの数字か署名さえあれば、カード決済ができる。大部分の被害者はATMで金をおろしたり、買い物をした際にクレジットカード情報を盗まれ、犯罪者にクレジットカードを複製されたのだ。

徐さんだけではなく、友人も同様の被害に遭ったという。

「今は海外のウェブサイトでショッピングをすることがこんなに多いのだから、簡単に被害にあってしまいます。海外のウェブサイトでは余りにも簡単にクレジットカードが使用できます。暗証番号も確認もいらないので、カード番号と裏の3けたの数字さえ知れば、誰でも外国のウェブサイトで不正使用できます」。

徐さんは銀行の調査結果が出るまでクレジットカードを使えない状況にある。

こうした被害が頻発するのはなぜか?磁気ストライプカードは安全面で大きなリスクを抱えている。磁気カードの複製は非常に容易だ。犯罪者が細工をしたカード読み取り機でスライドするだけで、情報が盗み取られる。しかも進んだ技術はいらず、100元(約1600円)の装置があれば完了だ。

ICカードは磁気カードより安全だが、コストがかかりすぎるので、現在中国で使用されている銀行カードの多くは依然磁気カードだ。磁気カードのコストは1枚1元(約16円)余りに過ぎないが、ICカードは40元(約640円)前後かかる。

ユーロペイ、VISA、マスターカードは、2008年までにATMをEMV対応にしていない場合、顧客が詐欺にあった場合の損失は銀行または金融機関が負担すると定めている。つまり国際規定に従えば、こうしたスキミング事件の責任は銀行が負担すべきなのだ。

マレーシアではスキミングによる損失は銀行が全額負担することが法律で定められているため、スキミングが猛威をふるった際に、巨額の負担に耐えられず倒産する銀行が出た。こうした事態を受けて、現在ではマレーシアを含め欧米や東南アジアの国々は銀行カードのICカード化を完了している。

中国人民銀行によると、周辺国のICカード移行の完了に伴い、こうした犯罪は中国国内に流れる傾向にあり、被害が拡大している。不法者が不法手段でATMを利用して銀行カード情報を盗み取り、カードを複製して金を盗むケース、または警戒心の薄い顧客が暗証番号やカード番号をショートメッセージ、電話、ネットなどを通じて何気なく他人に知らせてしまうケースが典型的だ。

だが、いわゆる「被害者」が実は犯罪者とぐるになって銀行を騙しているケースもあるため、こうした事件の責任の線引きは困難だ。中央財経大学法学院教授、中国法学会銀行法研究会理事の黄震(ホアン・ジェン)氏は「銀行自身による立証は難しく、公安当局による捜査を経なければ具体的な責任をどう認定すべきかはわからない」と指摘する。「銀行はカード保有者にしかるべきセキュリティー措置を提供し、セキュリティー上の注意喚起をする責任を負うが、カード使用が本人の行為かどうかは公安当局による調査が必要だ」。

別のある弁護士は「こういった状況は複雑で、関係するのは1カ国だけでなく、各国の法律は異なるため、処理するのが難しい」と指摘した。

黄氏はカード保有者に使用時の情報保護対策を呼びかける。海外旅行時、特に同様の事件の多発地区では信頼できる店舗でカードを使用すべきだ。インターネット上でクレジットカードが不正使用された場合は公安当局に捜査、証明してもらうべきだ。

近年こうした犯罪の被害に遭った時のための保険を提供している保険会社も多いが、多くの制限があるため自分の銀行カードに保険をかけるかどうかは、よく検討する必要がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/TF)

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