日本の大規模量的緩和でアジアの成長リズムが混乱―中国メディア

Record China    2013年4月28日(日) 1時9分

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26日、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がこのほど発表した共同声明では、日本の極めて大規模な量的緩和政策の影響にしっかりと注意することが強調され、「通貨安競争の回避」への言及が再三なされた。資料写真。

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2013年4月26日、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がこのほど発表した共同声明では、日本の極めて大規模な量的緩和政策の影響にしっかりと注意することが強調され、「通貨安競争の回避」への言及が再三なされた。発展途上国で組織された24カ国グループ(G24)の財務相も同時に声明を発表し、先進国の量的緩和政策は世界の経済成長の構造的なアンバランスを無視したものであり、自国の利益のためにインフレを呼び込むもので、発展途上国の調整をさらに難しくすると批判した。人民日報が伝えた。

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日本の(中央銀行である日本銀行の新総裁に就任した黒田東彦氏の打ち出した)黒田式量的緩和において量と質のグレードアップが特に強調されたことにより、多くの国から懸念の声が上がった。

第一に、大規模な量的緩和は金融システムの混乱を招く恐れがある。黒田氏は日銀の総裁に就任してから、瞬く間に「常軌を逸するほどのレベルの」量的緩和政策を打ち出し、日本メディアはこの政策を「2×4政策」と呼んだ。つまり、今後2年以内に2%のインフレ目標を達成し、国債購入額を2倍に引き上げ、購入した国債の期限を2倍に延ばし、マネタリーベースを2倍にするという政策だ。日銀の資産は今後2年で290兆円(1ドルは約99円)に増加し、米国が連続して行った量的緩和の規模に相当するが、日本の国内総生産(GDP)の名目値は米国の3分の1に過ぎない。黒田総裁は「金融システムの安定」を犠牲にするかわりに「消費者物価で2%のインフレ目標」を実現させようとしており、日本の金融システムの混乱を引き起こすと同時に、アジアや世界の金融システムの安定にも害を及ぼす可能性が高い。

第二に、黒田式量的緩和は国を大きく揺り動かす力をもつもので、必然的に「市場メカニズム」をねじ曲げることになる。黒田総裁の政策によると、日銀が毎年新たに買い増す長期国債は新規発行国債の70%を占め、国債保有率は2012年末の11%から14年末は23%に上昇することが予想される。日銀の資金が一旦放出すれば、日本の株式市場、社債市場、不動産業などにおける資産の上昇を直接刺激することになり、レバレッジ効果はすでにはっきりと現れている。過去2週間の市場の動きをみると、資金が日本の資産市場に集まり始めている。このため「黒田政策」は「グローバル資金を吸い上げるポンプの役割」を果たした後、アジア市場に対して洪水のように資金を流れ込ませるはたらきをするようになり、最終的には国際資本の大規模な流入・流出を招くとみられ、そのリスクは言わずとも明らかだ。

第三に、政策的に国債を「丸飲み」しても急速な円安は阻止できない。目下、日本が抱える借金は1000兆円に迫るが、毎年の歳入は40兆円ほどだ。新たに国債を発行して以前に発行した国債の償還に充てることを含め、日本が1年間に発行する国債は100億円を超えており、借金はそろそろ限界に近づいている。バブルが崩壊すれば、日本の人口構造、社会構造、産業構造はますます悪化し、一般的な物価や資産価格、利益率、金利、経済成長率が全面的に低迷し、先進国としての位置づけが危うくなる可能性もある。このため国債を償却して債務を軽くするのが、安倍政権が危機を転嫁させ政治的飛躍を実現するための戦略的な選択となる。

日本のやり方はアジア各国に2つの選択を迫っている。一つは、円安と各国通貨の上昇を阻止するために、日本国債を買い増して、レートの変動を抑えざるをえないという選択で、結果的に日本が転嫁した危機を受け入れることを迫られ、外貨準備の構造変更を迫られ、リスクが拡大することになる。もう一つは、投機資金の流入を阻止するために、金利を引き上げ、インフレやバブルを制御せざるを得ないという選択で、自国通貨の上昇が異常な圏内に陥るだけでなく、経済の低迷も免れられなくなる。警告に値するのは、日本のインフレが目標に達しなければ、量的緩和は終わらないということ、アジア各国の対応のプロセスが黒田氏のインフレに向かうプロセスにすでに組み込まれていることだ。15年にわたってデフレが続いた日本が今後2年で2%のインフレ目標を達成できるかどうかについて、理論的な支えもなければ、市場による保証もない。日本の大規模な量的緩和はアジア経済の成長リズムを乱すだけでなく、地域の貴重な金融協力の土台をも揺り動かすようになることは確実だ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)

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