インド外相が「領土紛争棚上げ」の必要性示唆=「日本は対話と経済相互発展目指せ」―米印は中国と良好関係

Record China    2013年3月27日(水) 19時30分

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27日、インドのサルマン・クルシード外相は日本記者クラブで記者会見し、領土問題について「双方の感情が絡んでいるので迅速な解決方法はない。対話し協調していくことが重要だ。ポジティブな面に力を入れるべきである」と述べ、「係争棚上げ」の必要性を示唆した。

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2013年3月27日、来日しているインドのサルマン・クルシード外相は日本記者クラブで記者会見し、中国けん制を狙って、日本や米国、インド、豪州が戦略的協力を深めるべきだとの声が日本で出ていることに関連し、「インドは自立・独立した意思決定をしていく」と語り、「中国包囲網」構想を全面否定した。その上で中国とは貿易面を中心に良好な関係にあり、米国も中国とは良好な関係にある事実を見過ごしてはならない」と強調した。また、領土問題についてクルシード外相は、「双方の感情が絡んでいるので簡単で迅速な解決方法はない。粘り強く対話し協調していくことが重要だ。(経済相互発展など)ポジティブな面に力を入れるべきである」と述べ、「係争棚上げ」の必要性を示唆した。

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同外相の発言要旨は次の通り。

(中国をけん制するため、日米印豪各国が戦略的協力を深めるべきだとの声が日本で出ているが)、中国とはかつて国境問題で厳しい時代もあったが、非同盟の結びつきもありポスト冷戦時代を通じて、友好関係にある。インドは過去にとらわれず、自立・独立した意思決定をしていく。

米国は東アジアに関与したがっているが、同国は内外に問題を抱えており、いかなる方向にいくのか見守っていかなければならない。米国自身が中国と良好な関係にあるという事実を見過ごしてはならない。(インドとしては)中国との協力関係を念頭において、すべてにオープンマインドで国益を追求していきたい。

インドと中国との間には国境問題があり、なお決着がついていないが、完全な解決は難しいとの(共通)認識に基づいて話し合いを継続していくことになっている。センシティブで感情的な問題なので大衆の圧力がかかるようなことを避けるようにしている。長期的にも短期的にも国境問題によって双方の利益にマイナスの影響が及ばないよう配慮している。平和と安全を国境で確保できるメカニズムも確立されている。

インドと中国の間の貿易は拡大し続けており、中国からインドへの投資も巨額に上っている。インドは中国との関係に満足している。シン首相は何回も訪中しており、中国の首脳も訪印している。この良好な関係を長く維持していきたい。今、南アフリカでBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)首脳会議が開催中で、新しいアーキテクチャーを話し合っている。この4カ国は人口で世界の43%、GDPでも非常に大きなシェアを占めており、さらに発展する。今後とも良好な関係を維持していく。

(日本は周辺3カ国と領土をめぐって係争中だが)、経済依存関係が高まれば高まるほど平和的になる、平和になれば経済がさらに繁栄する。インドはパキスタンとも国境問題を抱えているが、平和を支持する人たちによって解決へ踏み出している。領土問題は双方の(国民)感情が絡んでいるので簡単ではなく、迅速な解決方法はない。粘り強く対話し協調していくことが重要だ。忍耐が重要であり、(経済相互発展など)ポジティブな面に力を入れるべきである。(取材・編集/HY)

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