「芸術―国境を越えて」―中国出身高校生が英語弁論大会で熱弁―浜松市(静岡県)

Record China    2013年2月8日(金) 9時15分

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2012年度の静岡県西部高等学校英語教育研究会主催英語スピーチコンテストで、中国出身の静岡県立浜松東高校1年生山口嘉美さんが「芸術―国境を越えて」と題して熱弁をふるった。写真は言及されたネット壁画と第30回静岡県高等学校写真コンクールで入賞した作品。

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2012年度の第64回静岡県西部高等学校英語教育研究会主催英語スピーチコンテストで、中国出身の静岡県立浜松東高校1年生山口嘉美さんが「芸術―国境を越えて」と題して熱弁をふるった。彼女の流暢な英語のみならず、自然な表現力と情熱に、会場には大きな拍手が巻き起こった。

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彼女の指導には、同高校の英語科山本志保美・源馬栄里教諭とALTジェニファー・ユーが当たりました。山本教諭は「嘉美さんのエッセイが日中両国の青少年友好親善促進への一石になればうれしく思います」と語っている。

以下は英語弁論大会での山口嘉美さんの原稿を修正・加筆した日本語訳。

私は中国で生まれ12歳まで中国で育てられました。両親が子供の頃は「Manhua」と呼ばれる中国の漫画を読んでいたそうです。それは、うねる様な筆致で描かれた、中国の伝統的芸術の一つである、「水墨画」に近いものでした。私が子供の頃から、日本のマンガの要素がしだいに取り入れられるようになりました。

私はある文化に別の文化のよい点を取り入れることは大切なことだと思います。そうすることで、私たちは異なる文化を尊重することができるからです。私は絵画を通じて日本と中国の文化を結びつけたいと思っています。そして私は絵画を描くことに情熱を持っています。

私は芸術こそが国境を乗り越えることができるものだと考えています。芸術は私たちが話す言語のようにメッセージを伝えることが出来るからです。

昨年の春、生徒会が1年生に、「浜東祭」(学園祭)のために巨大なネット壁画のデザイン募集を呼びかけました。私はポスターに3つの要素を描きました。1つ目は日本のシンボルとしての東京スカイツリー、2つ目は世界のシンボルとしてのオリンピックの五輪マーク、3つ目は中国のシンボルとしての中国国旗から取った星のマークでした。このポスターの中に中国人としてのアイデンティティーを示したかったのです。

はじめ、私は背景色に明るい赤を使い、美術の先生に見せました。ところが、先生は「赤い色の部分が多過ぎるから、日本の人たちは北京オリンピック用のポスターと誤解してしまうかもしれないよ」とおっしゃいました。私はこのアドバイスを受けて、赤色を青色に変えてみました。すると、はるかによいものになりました。

私は中国の芸術の影響を強く受けています。そのため、私の絵は見た人々に中国文化の印象を強く与えるようです。今回のことでそれを実感しました。そこで、日本のポップアートの要素も取り入れたポスターを作ろうとして何回も描き直しました。やがてポスターは完成し、私がデザインしたネット壁画を「浜東祭」で見ることができ、非常にうれしく思いました。私は誇らしい気持ちになり、私のイメージをネット壁画に明確に表すことができるように助けてくれた美術の先生に感謝しました。

この夏、私は母の故郷の中国・長春を訪ね、中国各地で多くの写真を撮りました。第30回静岡県高等学校写真コンクールに、北京の裏通りで撮った写真を応募したところ、応募作品2622点の中から、入選することができました。

私は、芸術は言語に似ていると思います。私は日本語と中国語を話します。また私の作品には日本と中国の両サイドの特徴が表われています。言語と芸術が違う点は、芸術では異なる要素を結合させて新しいスタイルを作ることが可能だということです。私がネット壁画で行ったように、芸術は国境を越え複数の文化を融合することができます。

アジアで初めてFIFA 女子世界年間最優秀選手賞を受賞した澤穂希選手がこう語っています。「夢は見るものではなく、かなえるものだ」。私は絵を描き続け、写真を撮り続けます。これらの芸術を通して日本と中国の人々がより良い関係を築いていけるように、メッセージを伝え続けたいと思います。

現在日本と中国の関係は厳しい状況にありますが、私たち若者の文化交流がその関係改善の突破口になることを願っています。(取材・編集/HY)

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