安倍首相が急ぐ対中包囲網、応じるのはフィリピンとベトナムだけ―中国メディア

Record China    2013年1月14日(月) 6時10分

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12日、東南アジア諸国と連携して対中包囲網を構築しようと躍起になっている日本の安倍首相だが、これに応じるのは「フィリピンとベトナムだけだ」と中国の専門家は指摘。参考資料。

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2013年1月12日、北京日報は、安倍新政権の対中政策に関する元駐クロアチア中国大使・呉正龍(ウー・ジョンロン)氏の見解を掲載した。以下はその要約。

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政権を握って1カ月足らずの安倍晋三首相は東南アジア外交に力を入れている。1月の訪米は米国側の受け入れ延期通告で不可能になったが、ミャンマーに麻生太郎副首相を派遣。さらに韓国に特使を派遣して朴槿恵(パク・クネ)次期大統領との会談を求めた。岸田文雄外相は9日、フィリピンをはじめ、シンガポール、ブルネイ、オーストラリアへの歴訪に出発した。報道によると、安倍首相自身も来週からベトナム、タイ、インドネシアを外遊する。これほど短期間に集中して東南アジア外交を行う安倍新政権の意図は何なのか?

第1の狙いは、日米同盟の結束の強さを対外的に強調することにある。安倍首相はこれまでの外交慣例に背き、水面下での調整を待たずに訪米の意思を発表。しかし、これは主である米国に対し召使が命令するようなもの。米国は当然これを拒否している。

第2は、四面楚歌にある現状の打破だ。旧野田政権から引き継いだ安倍新政権は、中国、韓国、北朝鮮ロシアとの緊張関係も引き継いだ。その原因は領土問題ではなく、歴史問題にある。安倍首相は「竹島の日」の政府式典見送りを決定。韓国に額賀特使を派遣して両国の関係改善を目指したが、朴槿恵次期大統領との30分間の会談では解決の糸口すらつかめなかった。

第3は、対中包囲網の構築である。安倍首相は中国との関係改善をうたう一方で、ロシア、オーストラリア、インド、インドネシア、ベトナムの首相との電話会談を実施。外相と首相本人の東南アジア歴訪により、各国との協力を得て対中包囲網を構築し、中国を孤立させる狙いだ。しかし、実際に日本の呼びかけに応じるのはフィリピンとベトナムの2国だけという寂しい結果に終わるだろう。

第4の狙いは、タカ派のイメージを強調することにある。安倍首相は形勢の判断を誤り、防衛大綱と中期防衛力整備計画の見直しを明示した。8日の「尖閣周辺における中国軍機に対する警告射撃の可能性検討」のニュースは、中国に圧力をかけて尖閣問題での譲歩を中国から勝ち取ろうとする目論見だが、安倍氏は自分の首を自分で絞めることになるだろう。

安倍首相の性急ともいえる外交政策は、自民党が政権を奪取した要因が国民からの信任を得たからではなく、民主党の政策が最悪であったことにあると、安倍氏自身がわかっているからである。安倍氏が長期政権を望むのであれば、この秋に行われる参議院議員選挙の前に、何らかの功績を残さねばならない。焦りを感じている安倍首相の政策は状況判断を誤ったものが多く、結果として右傾化の道を突き進むことになる。安倍政権を葬るのは他ならぬ安倍晋三氏自身なのだ。(翻訳・編集/本郷)

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