「ニワトリもヤギもいなくなった」=BBCの記者が鉄道旅行で見た中国の大きな変化―英メディア

Record China    2012年10月17日(水) 12時4分

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13日、英BBC中国語版は、アンガス・フォスター記者による「『硬座(2等車)』で感じた中国の大きな変化」と題した記事を掲載した。写真は中国の鉄道。

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2012年10月13日、英BBC中国語版は、アンガス・フォスター記者による「『硬座(2等車)』で感じた中国の大きな変化」と題した記事を掲載した。以下はその内容。

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どの国でも、一番安い切符で鉄道旅行をすれば、その国の庶民たちの暮らしが見えてくるものだ。26年ぶりに硬座に16時間乗り、中国に起こった巨大な変化を感じた。

北京で列車の切符を買いに行くと、購入者たちが長い行列を作っていた。中秋節を控え、都市に住む人々のおよそ半分が家族に会うために遠出をする。

窓口で「武漢行きを」と伝えると、硬座の切符しか残っていないという。理屈の上では階級のない中国共産党は、ベッドが4台ある快適な個室から一番安い「硬座」まで、座席の等級を4段階に分けている。

1986年、まだ学生だった頃に初めて硬座で旅行したが、瞬く間に中国の農民の生活に紛れ込んだような気分がした。

当時、乗客は生きたニワトリやヤギを網棚に乗せ、揺れのために骨もバラバラになりそうな木の椅子や通路は人でいっぱいだった。窓から列車に乗り込み、荷物や子供を引っ張り込む乗客も大勢いた。車内はタバコの煙が立ち込め、端から端を見渡すことができないほどだった。

今回は北京西駅から乗車した。列車が30両ほど収まる長いプラットフォームで、乗務員は私の顔と切符をまじまじと眺め、列車に乗せてくれた。

乗ったのは高速鉄道ではなく、各駅停車の鈍行だったが、もはや26年前とは別世界だった。ニワトリやヤギはいなくなり、窓ははめ殺しなので、そこから乗り込む乗客もいない。車内にはエアコンも完備されていた。

今の「硬座」はもはや昔ほど硬くはなく、喫煙者は自主的にトイレ付近の喫煙スペースでタバコを吸っていたので、空気も随分マシだった。

農民の数も少なく、私が座った6人がけの座席では、ほとんどの乗客がネット接続できる携帯を持ち、ノートパソコンを持っている乗客は字幕付きのハリウッド映画を大音量で鑑賞していた。

みな中年で、北京で生活しているという。だが、戸籍がないので家族を連れてくることができない。北京は家賃も食料品も高すぎると文句を言っていたが、まあまあの生活を送っていること、少なくとも郷里の人たちよりは良い条件で暮らしていることも分かっているようだった。

もちろん旅行中の一幕であるから、どれだけ正しい姿を反映しているかは分からない。中国では人口の半数がまだ農村に暮らしており、都市との格差は広がり続けている。

武漢が近くなってきた頃、流線型の高速鉄道が私たちを抜き去っていった。隣の乗客に、中国の指導者が交代することについて尋ねてみたが、政治の話はしたくないという答えだった。今も昔も、人々はあまり政治を語りたがらない。

だが、この乗客は「今後数年のうちに何が起こっても、自分の将来と国の未来は明るいと思う」と話していた。(翻訳・編集/岡本悠馬)

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