人権活動家・陳光誠氏の「アメリカは素晴らしいよ」連呼で巻き起こる様々な議論―米華字メディア

Record China    2012年7月18日(水) 17時53分

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16日、陳光誠を巡る事件は、陳氏の米国留学という形で決着が着いた。近頃、中国戯劇文化学会の沙葉新名誉副主席が、中国版ツイッター「微博」で、陳氏と国際電話で連絡を取ったことを明かし、記事の投稿後、中国の人権状況を巡って議論が巻き起こった。写真は天安門。

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2012年7月16日、盲目の人権活動家、陳光誠を巡る事件は、陳氏の米国留学という形で決着した。近頃、中国戯劇文化学会の沙葉新(シャー・イエシン)名誉副主席が、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」で、陳氏と国際電話で連絡を取ったことを明かし、記事の投稿後、中国の人権状況を巡って議論が巻き起こった。米華字ニュースサイト・多維新聞が伝えた。

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「夜8時、北京で突然アメリカにいる陳光誠からの電話を受けた。嬉しくてたまらなかった。『そっちはどうだい』と聞くと。『素晴らしいよ』という答え。言葉にならなかった。何年も監禁され、監視され、拷問され、良いことなど何もなかった陳が、やっと幸せを手にした。溢れる涙をどうすることもできなかった。『支えてくれてありがとう』と言われた。『何もできなくて恥ずかしいよ』と言うと、『君がしてくれたことは全部知ってるよ』との答え。『きっとNYに会いに行くよ』と伝えると、『私も会いたい』と言われ、私はまた……」

米国を賛美する陳光誠の声が、中国国内で熱い議論を巻き起こした。陳氏支持派は、過去と現在でこれほどのギャップが生まれたのは、中国の人権状況にいまだ改善がみられないためだとしている。微博では「『祖国』という言葉の誤読が、どれだけの英雄とエリートの青春と志を無駄にしてきたことか!」「正義は最後には幸せを手に入れる」「中国にはあと何人陳さんのような人がいるのか」「陳さん、私たちの代わりに外の自由な空気を吸ってくれ」等、陳氏の幸福と健康を祈る書き込みが多数寄せられた。

一方で、陳氏は騒ぎを起こそうとしているだけだとする声もある。「国を愛するかどうかという問題ではない。自分の家でいじめられて隣家に駆け込み、両親からひどい仕打ちを受けただけの自分の家には自由がないなどと言って助けを求めるようなもの」「祖国を裏切るな」「アメリカが良い国だとでもいうのか」といった反対意見も出てきた。

ツイッターにおける陳光誠氏を巡る議論は沈静化しつつあり、中国の人権ではなく陳氏への10万元の寄付の行方に注目が集まっている。「素晴らしい」と連呼する陳氏の発言は、中国人にとっては不満の種になっている。中国の人権状況は、本当にそこまでひどい状況に陥っているのだろうか。ネットの文脈で答えを見つけることは容易ではない。

先ごろ、陝西省で起こった一人っ子政策違反による強制堕胎事件は、陳光誠による同政策への批判を思い出させた。ヒラリー米国務長官は、モンゴル訪問でアジアの民主、自由を取り上げ、この事件を中国の人権状況を物語る「証拠」としてほのめかした。米中の人権を巡る対立は最高潮に達している。米人権報告書は「中国の人権状況は悪化している」と直言し、人民日報は西側の「民主人権の輸出」の本質を認識せよと訴え、米国が「世界の人権の裁判官」になる資格はないと主張している。

陳光誠氏から届いた声は、表層的な議論を巻き起こしたにすぎないが、上がった声からは、人々が民主と人権に対して狭い認識しか持たないことが伺える。選挙の投票権だけでは民主のすべてを理解することはできないのと同様に、陳光誠氏の個人的境遇から中国の人権状況が見るに耐えないひどい状況であるという結論を導くこともできないと分析する意見もある。中国の大きさ、複雑さを考えれば、人々の思う民主と自由が到来したところで、すべての人が賞賛するものになるとは考え難いのである。(翻訳・編集/長河)

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