農村の小病院に赴任した日本人医師―中国

Record China    2012年5月7日(月) 10時28分

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3日、江蘇省無錫市で日本人のボランティア医師が活動している。写真は同市。

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2012年5月3日、現代快報によると、江蘇省無錫市錫山区にある錫北人民医院でリハビリの治療を受けている患者が、大学を卒業したばかりの様子で、いつも笑顔を絶やさない青年医師が治療チームにいることに、最近気がついた。患者を診察する時には常に辞書を携帯しているこの青年医師は、日本から無錫に来たばかりのボランティア医師・内野敬さんだ。人民網日本語版が伝えた。

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1985年生まれの内野さんは、今年27歳だが、実年齢より若く見える。中国語を日本で2カ月間学び、中国に来てから北京で3週間のトレーニングを受けた。なまりがなく、ゆっくりとした簡単な中国語なら、ほぼ理解できる。漢字による筆談で同僚と意思疎通を図ることもある。

内野医師は、実家のある福島県の病院で3年あまり、リハビリ担当医として勤務した経験がある。中国でリハビリ専門のボランティア医師を募集していることを知り、自ら志願した。両親や家族は賛成した。恋人だけはやや不安を感じたようだが、遠く離れても2人の関係に問題が生じることなどあり得ないと彼は思った。中国に来る前は文化、生活、交流など各方面での両国の習慣の違いから、中国で暮らすことに慣れることができるだろうかとやや心配したが、ふたを開けてみると、中国に来てから、想像していたより何事もスムーズに事が運んでいる。錫北人民医院リハビリ科治療チームの平均年齢は25歳と若く、最年長が28歳、最年少が23歳。全員が若者で、共通の話題も多く、数日も経たないうちにすっかり溶け込めたという。「リハビリ科の同僚医師は親切で心温かい人ばかりです。私達はリハビリ技術について相互交流しています」と話した。また、内野医師は地元の料理が大のお気に入りで、特に無錫排骨(硝石漬け豚肉の煮込み)、ワンタン、小籠包、太湖三白(淡水魚料理3種)が好物で、「やや甘めだけど、どれも大変美味です」と評した。毎日食べている病院の院内食堂の食事でさえも、彼は美味しいと褒め称えている。

ボランティア医師として、内野医師は同院で2年間勤務する予定で、病院側は宿泊費のみ提供する。ぜいたくな生活はできないため、内野医師は節約生活を心がけている。内野医師の面倒をみているリハビリ科の許継旭(シュー・ジーシュー)医師は、「内野医師は、食堂で食事して食べ切れなかったとき、決して残して帰らずに、たとえ白菜一口でも、宿舎に持ち帰り、その日の夕食にしています」と話した。また、「彼に付き合ってキャンパス地の靴を買いに行きました。彼が選んだのは最も安い15元(約200円)の靴でした。生活は質素で、仕事ぶりは大変真面目で、一切手を抜くことはありません」。勤務の様子については、「何をするにも真面目にきっちりとやります。我々が患者さんにリハビリを行うとき、彼は傍らにいて綿密に観察し、時には問題を提起してくれます」と話した。

内野医師にとって最大の問題は、患者とコミュニケーションを取る際の言葉の壁だ。現地の農村に住む患者の多くは標準語を話せないため、彼らの話す方言を内野医師は理解できない。また、中国語の医学専門用語も、彼にとっての「泣き所」だ。このため、いつも小さな辞書を携帯し、時には同僚に中国語の意味を尋ね、一日も早く中国語をマスターして、3、4カ月後には独立してリハビリ治療を行うことを目指している。2年間におよぶボランティア期間中の計画について、内野医師は「自分の持っているリハビリに関する知識を活かし、より多くの患者さんが回復できるようサポートしたいと思っています。プライベートタイムにやりたいことは、まず旅行です。広い中国の隅々まであまねく訪れてみたいです」と熱く希望を語った。(編集/TF)

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