<コラム>金正恩は狂っていない!電撃的な第二次南北首脳会談

木口 政樹    2018年5月29日(火) 19時0分

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5月26日、電撃的に南北首脳会談が開かれた。金正恩委員長と文在寅大統領が北側の板門閣にて午後3時から約2時間の対話を行なった。北の金委員長から25日、南側に要請があったとのこと。文大統領はフンケイOKしたという。写真は板門店。

5月26日、電撃的に南北首脳会談が開かれた。金正恩委員長と文在寅大統領が北側の板門閣にて午後3時から約2時間の対話を行なった。北の金委員長から25日、南側に要請があったとのこと。文大統領はフンケイ(望むところと)OKしたという。

1日経った5月27日午前10時から、文大統領が直接登場して前日の第2次南北首脳会談についてブリーフィングを行なった。文大統領直接のブリーフィングのポイントは次のよう。

まず、金委員長は、朝鮮半島における完全な非核化について再度強い意志を示した。非核化が完成するロードマップについては米との交渉になるため、これについては文大統領は言及を控えた。金委員長が一番心配しているのは、北が非核化をしたあかつきに、米が本当に体制の保障と経済支援をしてくれるのかどうかということであった。

この点については、文大統領はトランプ大統領の意思を明確に伝えた。つまり、北が本当に非核化に踏み切るならば、米は必ず体制の保障と経済支援を行なうということを。

そして、6月1日に再度南北首脳会談を行なうこと、また6月12日の米朝首脳会談のための準備を6月のあたまくらいから米朝で進めていく。南北は必要があるなら、今回のように形式や格式をはぶいてすぐにでも会おうということを約束した。さらに、南北と米の三国で、「終戦宣言」を行なおうということも話し合ったという。

こういったあたりが、文大統領の報告の内容であった。トランプ氏がなぜ米朝首脳会談はしないといったのかについては、何の言及もなかった。キム・ゲガン氏とかチェ・ソンヒ氏の発言などをうけて、トランプ氏が会談中止宣言をだしたのかもしれないが、今のところトランプ氏の、一旦は「しない」といった動機・原因についてはまだ明確でない状態だ。

しかし1日後にはまた「やる」用意があるとツイッターに書くなど、トランプ流のやり方で国際情勢をハンドリングしている。現在の状況としては、トランプ氏も金委員長も約束の6月12日の米朝首脳会談をシンガポールで行なうことはほぼ100パーセント確実のようだ。

3国での終戦宣言となるとババ抜きされた中国が黙っているはずもない。なんらかのいちゃもんをつけてきそうだ。どう動くかは、すこし時間が経てば明らかになるだろう。

世界が米朝会談や南北会談などを応援している中、日本のメディアだけはなんとなく「かたはらいたし」の感がぬぐえない。隣人の成功を心から祝ってやってこそ、まともなオトナといえるはずだが。

日本の立ち位置となんとなく似通っているのがこちら韓国の野党の保守陣営である自由韓国党だ。党首はホン・ジュンピョ氏なのだが、彼は文大統領の成功していく姿を見るのがとてもいやのようで、ことあるごとにナンクセをつけて、南北および米朝首脳会談が失敗することを願うような発言ばかりしている。

韓国の危機状況ひいては朝鮮半島の危機状況を解決することができるかもしれないという現在において、なんで足をひっぱるような発言ばかりしているのか、その気が知れない。狂っているとしか思えない。

金正恩氏のことを狂っていると見ている人間はあまたいるはずだが、筆者からみたら、金正恩氏は正常である。狂っているのはホン・ジュンピョ氏とか、それに準ずる文氏の成功をいまいましいと感じている連中だ。当事国である韓国の中にもこういう輩がいるというのは、情けないことであるけれども、どんな立場でも存在できるという自由の証でもあろうか。

米朝首脳会談中止ということで、一旦は地獄に落ちたような雰囲気だった韓国がまたまた息を吹き返した格好だ。これから6月12日まではそれほど日数はないが、またどんな変数が生じるとも限らない。とにかく今のところは、今回の5月26日の第2次南北首脳会談の成功をはずみに米朝会談の成功を祈るばかりだ。

地球規模で見ても、今ここ朝鮮半島が熱い。多くの人の応援が必要なときだ。日本にいるわたしの友人たちにも、応援の祈りをお願いしている。多くの友らは、それに応えてくれて成功を祈るというメッセージをわたしに送ってくれている。ありがたくもうれしいことである。

■筆者プロフィール:木口政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大学校教授(2002年~現在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県・米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大学校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓国』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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