中国政府の高齢化対策は理想ばかり、今すぐ地域ネットワークの構築を―香港紙

Record China    2012年4月16日(月) 9時1分

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8日、香港紙は「銀髪族が日増しに試練になっている」と題した記事で、中国政府は迫りくる高齢化社会に対し、実効性のある解決策を何も持ち合わせていないと指摘した。写真は北京の地下街で路上ライブを行う70代男性。

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2012年4月8日、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは「銀髪族が日増しに試練になっている」と題した記事で、中国政府は迫りくる高齢化社会に対し、実効性のある解決策を何も持ち合わせていないと指摘した。11日付で環球時報が伝えた。

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世界保健機関(WHO)が7日の世界保健デーに発表したデータによると、中国の65歳以上の高齢者人口は1億1900万人を超え、総人口に占める割合は8.9%に上った。上昇傾向は今もなお続いている。

アモイ大学の高齢者問題専門家、張友琴(ジャン・ヨーチン)教授は「高齢者が最低限必要なのは経済の安定、健康な日常生活、精神的ななぐさめの3つ。中国の高齢者の多くは退職金をもらっているが、それだけでは彼らの介護問題は解決しない」と指摘する。

中国はまだ高齢化社会の到来を迎える準備が整っていない、と懸念する専門家は多い。膨大な規模の高齢者人口をどう支えていくのか、経験や能力があまりにも乏しいというのがその理由だ。専門家らは以前から「地域社会を基本とした支援ネットワークの構築」を呼び掛けてきたが、政府は「年金さえもらえれば、何の問題もないはずだ」とこれを重視してこなかった。

政府が掲げる理想は「高齢者の95%は家族と同居、残りは公的施設か民間の老人ホームで面倒を見る」というもの。今後4年以内にベッド数を340万床増やすとともに、地域の病院が高齢者の健康を見守る取り組みをするよう奨励していく方針だが、地域社会のネットワークが上手く機能しなければ、実効性に乏しいと言わざるを得ない。

理想をどのように実践していくか、中国政府は何の具体的な考えも持ち合わせていない。高齢者の子どもたちは40〜50代の働き盛り。自分の仕事や家庭に忙しく、病気や寝たきりの老親の面倒を見る余裕はない。上海中山医院の胡予(フー・ユー)老年病科主任は「当面の急務は老人ホームと専門の訓練を受けた介護職員を増やすこと」と話している。(翻訳・編集/NN)

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