北朝鮮が核実験場廃棄に国際記者団を招待も、依然残る疑念―中国メディア

人民網日本語版    2018年5月15日(火) 17時50分

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北朝鮮外務省は12日、5月23日から25日の間に北朝鮮北部の核実験場の廃棄式を行うと発表した。具体的日時は天候状況を見て決め、国際記者団の現地取材を許可する。資料写真。

北朝鮮外務省は12日、5月23日から25日の間に北朝鮮北部の核実験場の廃棄式を行うと発表した。具体的日時は天候状況を見て決め、国際記者団の現地取材を許可する。北京日報が伝えた。

■特別機を用意

朝鮮中央通信は12日、北朝鮮外務省の公報として、核実験場廃棄の透明性を示すため、北朝鮮側は北朝鮮国内メディアと国際記者団の現地取材を許可すると報じた。

北朝鮮側はすべての国際記者に中国・北京から朝鮮・元山までの特別機を用意する。元山からは特別列車で豊渓里へ行く。

豊渓里核実験場は北朝鮮北東部に位置し、6回の核実験はすべてここで実施された。

公報は、核実験場が人の少ない山奥にあることから、国際記者団は特別列車内に宿泊することになるとした。また、現地での取材と廃棄状況の撮影後のプレスセンターでの送稿に協力するという。

公報は、朝鮮半島と世界の平和・安定維持のため、北朝鮮はこれまで同様に周辺国及び国際社会と緊密に連絡を取り、積極的に対話するとした。

■米韓は評価

トランプ大統領は12日、ツイッターに「北朝鮮は6月12日の米朝首脳会談に先立ち、今月核実験場を廃棄すると発表した。非常に賢明で丁重な措置だ」と書き込んだ。

米朝関係には最近緩和の兆しが多く見られる。ポンペオ米国務長官は9日に訪朝し、北朝鮮の最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)氏と会い、北朝鮮に拘束されていた米国人3人を連れ帰った。トランプ大統領は10日、6月12日にシンガポールで金氏と会うと発表した。

核実験場の廃棄という北朝鮮側の発表に対して、韓国大統領府の金宜謙報道官は13日の記者会見で歓迎を表明。「先月末の南北首脳会談での合意を実行する意思が北朝鮮側にあることを示すものだ」と述べた。

■依然残る疑念

米側は一貫して北朝鮮側に「完全かつ検証可能で不可逆的な」核廃棄を求め、「検証可能」であることが肝要だと強調してきた。南北首脳会談当日、トランプ大統領は南北首脳会談が成果を挙げることを期待すると述べ、非核化実現まで対朝圧力を継続するとした。

AFP通信は13日、「疑念を抱き続けてきた人々は、北朝鮮は核兵器の廃棄を公に約束していないと言う」と報じた。韓国・聯合ニュースは同国の野党「自由韓国党」の洪準杓代表がSNS上で、北朝鮮側が核実験場の廃棄を決定するのは「目新しい事ではなく」、重要なのは核兵器をどう処置するかだと指摘したことを報じた。

洪代表の言う「目新しい事ではない」というのは、北朝鮮側が2008年6月、寧辺の原子炉冷却塔の爆破過程の見学に外国の報道陣10数人を招いたことを指す。爆破完了後、北朝鮮側は爆破効果の現地での確認を手配した。

北朝鮮、韓国、中国、米国、ロシア、日本の参加する6カ国協議は、2007年7月の寧辺核施設の停止発表へと朝鮮を導いた。北朝鮮は2008年9月、米国が北朝鮮を「テロ支援国家リスト」から外すことを拒絶したため、寧辺核施設の再稼働を開始したと発表した。

2008年12月の6カ国協議首席代表会合で、米朝は核検証問題で溝が埋まらず、期待された核検証議定書の策定について合意に至らなかった。2009年4月、北朝鮮側は6カ国協議からの離脱と機能停止した核施設の原状回復を発表した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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