<直言!日本と世界の未来>日中韓3首脳の握手に感慨=有意義だった官民ビジネス・サミット―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2018年5月13日(日) 5時0分
日中韓3首脳の握手に感慨、近隣外交に期待―立石オムロン元会長
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中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が来日し、2年半ぶりの日中韓首脳会談が開かれた。安倍晋三首相を挟んだ3人が握手する姿を見て感慨深かった。世界の国内総生産(GDP)の2割超を占める日中韓が連携すれば、アジアや世界全体の経済成長につながるであろう。
中国の李克強首相、韓国文在寅大統領が来日し、2年半ぶりの日中韓首脳会談が開かれた。安倍晋三首相を挟んだ3人が握手する姿を見て感慨深かった。日中韓の3首脳は、朝鮮半島の非核化に向けた連携で一致したほか、経済連携の強化でも一致したという。世界の国内総生産(GDP)の2割超を占める日中韓が連携すれば、アジアや世界全体の経済成長につながるであろう。

これまで日本は日米同盟の強化やトランプ米大統領との「蜜月」をアピール。「地球儀を俯瞰する外交」を掲げ成果もあったが、大きく変化する東アジア情勢に機敏に対応するためにも、近隣の中韓両国との緊密な意思疎通が欠かせない。東アジアの平和と安定は日中韓3カ国に共通の利益であり、長期的な視野で首脳間の対話をさらに進めていくべきだ。

日中首脳会談で李首相は、今年が日中平和友好条約締結40周年にあたることにも触れ、「両国関係を正常な軌道に戻すことは、両国の利益になるだけでなく、国際社会からの期待にも応えるものだ」と指摘。安倍首相はこの節目の年を「日中関係の新しいスタートを切る年としたい」と語った。日中首脳会後の署名式では、両国の担当閣僚らが10の協定・覚書を交わした。は、経済連携や環境、防災など共通のテーマを設定、実務的な協議を重層的に進めることになった。日中間の懸案だった防衛当局間の「海空連絡メカニズム」がようやく合意に至ったのは一歩前進。偶発的な衝突を避けるため、さらに実効性を高める必要がある。

文大統領は共同記者発表で、「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の定着、南北関係の改善は、半島だけでなく地域の平和に重要だとの認識をともにした」と呼び掛けたが、当然であろう。

経済人として心強かったのは、経団連など日中韓3カ国の経済団体が首脳会談に合わせて、ビジネス・サミットを開催したことだ。アジア開発銀行(ADB)によると、アジアのインフラ需要は2030年までに22兆ドル(約2300兆円)規模に上るというから膨大である。共同声明は「日中韓はインフラ整備を推進し、(3カ国以外の)第四国市場での協力などを通じて物理的・制度的・人的連結性の強化に貢献していくべきだ」と謳っている。

私はかつて経団連・国際労働委員長や海外事業活動関連協議会(CBCC)会長として、世界各地で開かれたこの種の官民による会議に出席したことがあるが、一堂に会して様々な懸案や発展スケジュールについて話し合うことは有意義なこと。関係各国の多くの経営者や政府関係者の知己を得て、日本全体の産業振興や企業経営に役に立ったのは言うまでもない。
<直言篇51>

立石信雄】1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。
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