また電撃訪中した金委員長、米朝首脳会談の荷重く「窮鳥入懐」?「中朝は運命共同体」と習主席

Record China    2018年5月11日(金) 17時50分

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史上初の米朝首脳会談を控え、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長がまた中国を電撃訪問し、習近平国家主席と会談した。単独で超大国と向き合うのは荷が重いともみられ、習主席も「中朝は運命共同体」と応じた。

2018年5月11日、やはり単独で超大国と向き合うのは荷が重いのか。史上初の米国との首脳会談を控え、北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長が7、8日にまたしても中国を電撃訪問し、習近平国家主席と会談した。「窮鳥入懐」((逃げ場がなくなって助けを求める意味)ともみられ、習主席も「中朝両国は運命共同体」と応じた。

金委員長は7日に専用機で中国遼寧省大連入り。習主席とは大連のリゾート地で夕食会や昼食会などを通じて会談を重ねた。中朝両国の国営メディアは金委員長が帰国した8日夜、同時に会談を報じた。金委員長には妹の金与正氏、李容浩外相らが随行した。

中国国営新華社通信によると、3月末に続く2回目の中朝首脳会談で、金委員長は「朝鮮半島の非核化は北朝鮮の終始一貫した明確な立場」と強調。関係国が北朝鮮への敵視政策と威嚇をやめさえすれば、北朝鮮には核を保有する必要はないとし、「非核化は実現可能だ」と述べた。さらに「米国との対話を通じて相互信頼を構築し、互いが責任を持って段階的で歩調を合わせた措置を取り、最終的に非核化と平和維持の実現を望んでいる」と訴えたという。

一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、両首脳が「再び対面し、意義深い会談」が行われたと報道。習主席が「両国は運命共同体、変わることのない唇と歯の(ように近い)関係」と語ったとも伝え、中朝関係の一致ぶりをアピールした。

朝鮮半島情勢は2月の平昌冬季五輪から動きが始まり、11年ぶりの南北首脳会談へと激変が続いた。中国は一時期「蚊帳の外」に置かれていたが、後ろ盾を求めて懐に飛び込んできたかにも見える金委員長の行動は好都合だ。

中国国営中央テレビ(CCTV)は8日、中朝首脳会談の様子を夜のニュースで約8分間に及ぶ異例の長さで伝えた。正式会談の様子に加え、通訳だけを伴い両首脳が風光明媚(めいび)な海辺を散策する姿も放送。「北朝鮮に対する影響力」を国際社会に誇示する中国側の狙いがうかがえた。

中国メディアによると、中朝首脳会談の直後、習主席はトランプ米大統領と電話会談。米朝首脳会談(6月12日にシンガポールで開催)について「北朝鮮の合理的な安全保障上の懸念を考慮し、朝鮮半島問題の政治解決プロセスを共同で進めることを望む」と述べ、核問題解決に向けて北朝鮮の立場に配慮するよう促した。

「北朝鮮の完全な非核化の先行」を要求する米国と「段階的な見返り」を求める北朝鮮の間には依然として大きな溝がある。中国が名実共に北朝鮮の後見役に収まったことで、米国と貿易摩擦を抱え、在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備に反発する中国の思惑も米朝首脳会談に絡んでくる。朝鮮半島情勢の行方は一段と複雑化しそうだ。(編集/日向)

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