震災後の日本の対中「感謝外交」をどう受け止めるべきか―中国メディア

Record China    2012年3月17日(土) 20時6分

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12日、中国紙多数が「日本の首相が寄稿」した感謝のメッセージを掲載した。野田佳彦首相はこの中で「中国を含む国際社会」からの支援に感謝したうえで、新たな日本を建設する必要性を指摘した。写真は東日本大震災から1年後の被災地。

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2012年3月16日、人民網日本語版によると、中国紙多数が12日付で「日本の首相が寄稿」した感謝のメッセージを掲載した。野田佳彦首相はこの中で「中国を含む国際社会」からの支援に感謝したうえで、新たな日本を建設する必要性を指摘した。

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■日本の首相の「感謝外交」を肯定的に受け止める

名古屋市長の南京大虐殺否定発言が両国関係に暗い影を落とす中、野田首相の「感謝外交」が日中関係に温かい風を運んだことは確かで、中国のメディアや民衆はみな非常に肯定的に評価している。

今年はちょうど日中国交正常化40周年にあたる。経済規模で中国が日本を追い抜いてから初の、盛大な国交正常化記念行事が行われる。日中のパワーバランスの変化を前に、両国の民衆はまだ心の調整が済んでいない。国交正常化40周年記念が、その重要な契機となることは間違いない。国交正常化から40年、日中関係は各段階で異なる特徴を呈してきた。今後10年またはそれ以上の期間、日中関係はどのように発展するのだろうか。今年の日中関係によって、その初歩的な回答が示されるだろう。今年は日中関係にとって、これまでの成果を継承し、今後のために道を切り開く1年となる。

2011年末の野田首相訪中時、両国首脳は共に、日中国交正常化40周年を契機に各記念行事と「日中国民交流友好年」活動をしっかりと計画し、成功させ、日中戦略的互恵関係の発展を促す必要性を強調した。現在、豊富で多彩な交流活動が両国で幅広く繰り広げられている。南京大虐殺の否定のようなごく少数の不協和音は中国メディアだけでなく、日本の大手メディアからも次々と批判されている。ごく一部の、空騒ぎばかりの小悪党の拙劣なパフォーマンスは、友好と協力の声にすぐに埋れてしまうだろう。一方、友愛に満ちた感謝外交は、四川大地震と東日本大震災後の「日中が互いに助け合う」温かい流れの延長線上にあるものであり、肯定的に受け止め、もっと大切にすべきだ。この意味において、日本の首相の感謝外交は歓迎に値するものだ。

■日本の首相の「感謝外交」を全面的に受け止める

震災後日本に援助の手を差し伸べたのは中国だけではない。このため「感謝外交」も当然、中国のみに向けたものではない。実はこれに先立つ7日、米紙ワシントン・ポストにすでに野田首相の感謝のメッセージの英語版が掲載されている。

昨年の大震災後に日本政府の「感謝外交」が中国で引き起こしたいくつかの誤解は省察に値する。震災から1カ月後の4月11日、中国メディアに「絆」と題した菅直人首相の感謝のメッセージが掲載されたが、これは「日本の首相が中国の援助に感謝した」と受け止められた。実はこのメッセージは米国英国、韓国などのメディア7社に同時に発表されたものだった。こうした背景を知らない中国の一部ネットユーザーから「中国に感謝しておきながら、なぜ『中国』という言葉が入っていないんだ?」と疑問の声が上がり、そのパブリック・ディプロマシー効果が大きく削がれた。今回の野田首相の「感謝外交」では、日本側は明らかに当時の教訓を汲み取っており、「中国を含む国際社会に感謝する」と特に中国に言及している。

放射能漏れへの疑いが晴れなかった4月16、17両日、菅首相は米国の3大メディアに「復興と新生の道へと歩む日本」を発表し、原発事故について「おわび」した。これは隣国に「なぜもっと大きな影響を受けた隣国のメディアに『おわびのメッセージ』を載せないんだ?」との不満を引き起こした。菅首相は4月20日になってようやく、中国メディアにこの中国語版を発表した。1500字の文章に「中国」という言葉を7回使い、中国について数多く言及し、震災で亡くなった中国国民の冥福を祈るとともに、中国国際救援隊の救援活動や中国政府と中国人民からの「温かい援助の手」に感謝する内容だった。在中国日本大使館の職員も、米メディアで使用した単語は「遺憾の意」を示す「regret」であり、中国メディアがこれを「おわび」と訳したのは不正確だと説明に力を入れたことで、ようやく誤解が解けた。

要するに日中のパワーバランスが変化する過程において、両国民衆の心は共に複雑で、不安定になっているのだ。ごく小さな誤解も両国関係に大きな影響を与える恐れがある。四川大地震と東日本大震災は両国民に「互いに温め合う」心の体験をもたらした。この体験は現在も続いている。国交正常化40周年の今年、日中は妨害を排除し、友好と恩義を感じる声を高め、友好と協力の日中関係を築くべく努力すべきだ。(文:趙新利・チャハル学会研究員、中国伝媒大学広告学院講師)(編集/TF)

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