<コラム>朝鮮半島の統一は2020年?韓国の和尚の40年前の予言

配信日時:2018年5月2日(水) 20時0分
朝鮮半島の統一は2020年?韓国の和尚の40年前の予言
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4月27日午前9時半、板門店の南北境界線をまたいで南の文大統領と北の首領様(金正恩委員長)が歴史的な握手をかわした。写真は南北首脳会談の関連報道。
4月27日午前9時半、板門店の南北境界線をまたいで南の文大統領と北の首領様(金正恩委員長)が歴史的な握手をかわした。

1代目の金日成のときも、2代目の金正日のときも南北首脳の出会いはあったが、今回のは、これまでのそれとはかなり趣きを異にしている。北が本気で核の放棄を模索していることがはっきりした。

午後、散歩しながらの2人だけの対話は、マイクも付き人もなく本当の「ただの2人」だけの会談だっただけに、どんな話が30分もの間かわされたのか気になるところだ。今のところまだあのときの会談の内容は明かされてはいない。

27日夕方の「板門店宣言」においては、2人の首脳はまず抱擁して宣言発表までこぎつけたことを祝いあった。晩餐会には金正恩氏の妻であるリ・ソルチュも合流し、ファーストレディとしての役割を十二分に果たした。

9月の文大統領の平壤(ピョンヤン)訪問が決まり、開城(ケソン)に合同連絡事務所を設置することも決まり、8月15日に離散家族の出会いの行事も合意に達した。3年前に朴槿恵(パク・クネ)前大統領の一声で閉鎖になった開城の工業団地の再開も射程に入れられた状況だ。非核化の具体的な内容は盛り込まれなかった。ただし朝鮮半島における非核化という点では双方合意に達していることを忘れてはいけない。具体的な内容は、米朝首脳会談においてはじめて明確化されることだろう。

27日は、筆者の大学の授業も9時からあったのだが、出席をとったあとはネットでの首脳会談の放送をずっと見っぱなしだった。小学校の授業も韓国の大部分のところは午前中はずっとテレビ放送を見ていたようだ。それくらいの出来事であることはたしかだ。

去年の暮れまでは北の首領様は、なにかにつけて「南のソウルを火の海にしてやるぞ」と脅していた。あれから4カ月でこうも変わるのかと不思議な気持ちにもなってしまう。韓国内の保守勢力は、「これは政治ショーに過ぎないから信じてはいけない」とやんや騒いでいるけれど、単なる政治ショーのレベルでないことだけはたしかだ。

1日経った28日の段階で、北の住民にも政府機関紙労働新聞が南での報道内容とほぼ同一の内容を伝えている。非核化ということばも登場している。北の住民にとっては、あれほどまで一生懸命「核作り」に余念のなかった首領様が、なんでいきなり非核化などと言い出すのか理解できないという向きもあろうかと思う。しかし誰あろうあの首領様のおことばだ。命よりも大事な人のおことばだ。聴いた瞬間腹の底まで信じたであろうことは疑いの余地もない。南と北の統一の絵までもうっすらと見えるような1日だった。

北の金正恩氏が、4月29日、さらに新たな発表をした。豊渓里(プンゲリ)の核施設を5月中に閉鎖するということ、および平壤(ピョンヤン)時間を南の時間に合わせるということ。

核施設の閉鎖は韓国と米国の専門家および監視団を招いて直接見てもらうと言っている。また時間については、2015年ごろに北朝鮮が突然、それまで使っていた韓国と同じ時間(それは日本の標準時である)を30分遅らせた「北朝鮮時間」を使うと一方的に発表した。それ以来、北の時間は南の時間より30分遅れた時間となっていた。文大統領と握手し板門店宣言に署名したあの建物に入ったとき、一方には韓国時間を示す時計が、また一方には北朝鮮時間を示す時計がかけられていた。

それを見た金正恩氏は、すぐには誰にも言わなかったが、「とても胸が痛かった」ということもコメントとして発表している。4月29日の発表によると、「北朝鮮が一方的に30分遅らせていたものだから、平壤の時間を30分また早め、ソウルと同じ時間を使うことにした」ということ。

1つ1つにナンクセをつけてきた北朝鮮。今、その態度は180度変化した。一つ一つ正常の形に戻そうとしている。

金正恩氏の内部に本気で核をなくし、南となかよくやっていこうとする気持ちが芽生えていることは間違いない。北の時間については筆者もよく知っていて、30分のずれをもったまま当分の間はやっていくんだろうなと思っていたら、会談終了後2日目にして時間を「南」に合わせると言って来た。こんな奇跡がおこってもいいのか。いよいよ、米朝首脳会談が期待されるものとなった。

うそばかりついてきた北だけど、今は信じてやろうじゃないか。日本人拉致被害者の解放にもプラスのベクトルとなるはずだ。文大統領と握手したあの顔は、うそに固められたこれまでの北の首領様の顔ではない。人間になった首領様つまり国務委員長の顔である。

英国のノーベル賞(平和賞)を占うある会社のオッズでは、金正恩氏が一番人気で1.7倍と出ているという。オッズは数字が小さいほど人気が高いことを意味する。今、金正恩氏はぶっちぎりの一番人気馬である。

平和さらに統一といえば、韓国におもしろい「予言」がある。

1975年ごろのこと。1人の高僧があった。タンホ(1913〜1983)という和尚さん。韓国仏教界でもかなり有名な僧だった。この人が、忠清北道・提川(チュンチョンブクト・ジェチョン)と忠州(チュンジュ)の間にある月岳山(ウォラクサン)の麓に位置する徳周寺(ドクジュサ)で予言を行なった。

予言の内容は、「月岳山の上に月が出て、月影が水に映ってから30年後に女性の大統領が現れる。女性大統領が出てから3、4年後に朝鮮半島は統一する」というものだった。

ところが、その当時この予言は誰にも顧みられない予言だった。というのは月岳山の上に月は常に昇るのだが、月影が映るような川も湖もなかったからだ。海もないのだ。忠清北道というところは韓国で海のない唯一のド(道)である。

ところが1983年ごろ、提川に提川ダムの建設が決まりすぐにダムができることになる。ダムができてみると月岳山の上にのぼったお月様がダムにきれいに映るのだった。それから30年後というと2013年だが、この年になんと朴槿恵が大統領となる。女性第1号の大統領だった。

残念ながら今は国政壟断(ろうだん)の件で刑務所暮らしの状態だけれど。2017年の3月10日に弾劾裁判にて弾劾され大統領職からいきなり前科者の身分となった。2017年を基準にして3から4年後というと、2020年から2021年ごろとなる。タンホ和尚の徳周寺予言が、なんとなく真実となるのではないかと思わせる男2人の抱擁であった。

■筆者プロフィール:木口政樹
イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大学校教授(2002年〜現在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。
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