「中国側」の誤解を恐れる韓国、日本主導のTPP参加へ向け加速=韓国ネットも賛成の声多数

Record China    2018年3月13日(火) 10時50分

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12日、韓国メディアによると、ドナルド・トランプ米大統領が主導する保護貿易政策により世界の貿易市場が冷え込む中、日本主導の環太平洋経済連携協定(TPP)参加に向けた韓国の動きが速まっている。資料写真。

2018年3月12日、韓国・ニュース1によると、ドナルド・トランプ米大統領が主導する保護貿易政策により世界の貿易市場が冷え込む中、日本主導の環太平洋経済連携協定(TPP)参加に向けた韓国の動きが速まっている。日本、カナダ、メキシコなど対米貿易大国が参加する「包括的および先進的なTPP(CPTPP)」が米国との貿易戦争の糸口になる可能性があるためだという。韓国が中国主導の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)のみに参加していることから、記事は「中国と同じ船に乗っている」との認識を与えないためにもCPTPPへの参加が必要と伝えている。

金東ヨン(キム・ドンヨン)副首相兼企画財政部長官は同日午前、政府ソウル庁舎で開かれた対外経済長官会議で「今月8日に米国を除く11カ国がCPTPPに正式に署名した」とし、「(韓国)政府は、今年の上半期中に加入の有無に対する省庁間の合意を導き出す計画」と明らかにしたという。これについて、記事は「政府がCPTPPへの加入時期を今年上半期に繰り上げたのは、米国発の貿易戦争に備えるための布石」と説明している。

また記事は、CPTPPについて「世界最大の貿易協定であり、国内総生産(GDP)基準で世界経済の13.5%、人口5億人を包括している。カナダ、メキシコ、豪州など米国の主要貿易相手国が含まれ、アジアでは日本、豪州、ベトナム、マレーシアなどが参加しているが、中国と韓国は入っていない」と説明。韓国が入っていない理由について「当初、日米主導のTPPと中国主導のRCEPは2大メガFTA(自由貿易協定)として世界貿易の大きな競争構図を形成、韓国はRCEPに参加するためTPPには加入しなかった」としている。その上で「韓国は中国主導のRCEPに積極的に参加しているため、米中間の貿易戦争において『中国側と歩調を合わせる』という誤解を招きかねない」と指摘している。

さらに「現況は自由貿易地帯を広げる協定に可能な限り積極的に乗り出すことが必要な時点」と強調し、「トランプ政権発足後、米国が保護貿易の旗を掲げてTPPを離脱し、米中対立構図が米国と他のすべての国との対立構図に再編されたため」と説明。その上で「韓国はRCEP妥結を急ぎつつもCPTPP加入を推進するなど、米国の攻勢に勝つべく貿易戦略を変更するしかない状況になってくる」と主張している。特にCPTPPは米国のTPP復帰の際に貿易戦争を解決する糸口となり得るといい、そうなれば加盟国と米国間の交渉に韓国も参加できる余地が生まれることになるとのこと。

なお、CPTPPの加盟国11カ国は今月8日に協定に正式に署名しており、各国は自国内の批准手続きに入った。このうち6カ国が批准すれば60日後に協定が発効される予定。韓国政府では「早ければ来年の2〜3月に発効の可能性がある」とみているそうだ。

これを受け、韓国のネットユーザーからは「当然参加すべき」「これからは中国依存から脱却しよう」「日米が嫌いだとしても親中になるのはやめよう」とCPTPP加入賛成派の声が目立つ一方で、「米国の出方を見た方がいい。米国が見捨てたTPPなど意味がない。米国が再加入する可能性が高くなったら検討すべき」と慎重派の意見も見られる。

韓国の現状を指摘して「『誤解』というより、中国側にいるのは事実。米国を捨てて中国にくっ付いたからって国が発展すると思う?」「高高度防衛ミサイル(THAAD)報復であんなにやられたくせに、まだ中国の話?」など厳しいコメントも。

中には「日本のものだから加入しなかったという文在寅(ムン・ジェイン)支持派が、加入後にどう釈明するか…。これは見もの」との声も見られた。(翻訳・編集/松村)

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