<コラム>「中国が金持ちになったのは日本のおかげ」、中国人投資家が日本視察で語ったこと

配信日時:2018年3月8日(木) 11時20分
「金持ちになったのは日本のおかげ」、中国人が日本視察で語ったこと
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日本からの中国入りツアー(視察団)は中国に何を求めるのか?観光客もいらっしゃいます。万里の長城とか、ディズニーランドとか。でも、そんなことじゃないんです、もはや。写真は中国人経営者が訪れたホテル。筆者提供。
基本的に中国を感じるには、「郷に入っては郷に従え」で現地ありき。いかにして、現地に同化できるか?が問われます。日本からの中国赴任組は、まずは何もわからずじまいの、あっという間の1年を過ごすでしょう。

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言葉の壁、文化の壁、そして、己との壁をいかに超えられるか?ただ、最近はあながち現地に行かずとも、それを実感できる環境になりつつあります。何故か?「インバウンド」という魔物が登場してきたからです。諸々の理由は別としても、中国から日本に民族大移動。お越しいただける世の中になりました。

ところで、日本からの中国入りツアー(視察団)は中国に何を求めるのか?観光客もいらっしゃいます。万里の長城とか、ディズニーランドとか。でも、そんなことじゃないんです、もはや。フィンテックを始めとした中国のキャッシュレス社会の実態を知りたくて。もっといえば、カードレス社会。クレジット会社が必要でなくなるという事実の裏取りとも言いましょうか…。

何故に?中国は金儲けが大好きな国。クレジット会社に支払う手数料自体を解せないとカットする考え方。そこにWeChatpay(ウィーチャットペイ)が代表格な、「現金を使わない」決済システムが国民票を取ってしまいました。WeChatが国際基準になってもならなくてもお構いなし。数の勝利だから。日常の生活必需品から、飲食代金から、タクシーや公共料金から、クリーニング代から。全て、スマホで完結。丸一日、現金を見ない日もあったりします。そのための、中国での銀行口座開設。そしてリアルタイムでの体験。これが、リアルな中国を体験したがる日本人たちの視察団のメインになろうとしています。

かたや、中国からの(特に経営者や投資家たち)日本視察の目的はどうでしょう。

先日、超VIPの中国人経営者のアテンドにご指名をいただきまして、お役目を果してまいりました。エグゼクティブクラスのホテルの視察がその目的だったのですが、そこで繰り広げられた彼らとの会話とは?

「中国という国は、今やお金で何でも買えるお金持ちの国になりました」
「それは、隣の国である日本のおかげです」

そこから始まりました。

隣であるという最大のメリットを利用して、何でもかんでもコピー化してキャッシュ化して資本力を上げてきた。でも、彼らに言わせると、それはあくまでもコピーであり、ゼロから一を創り出したものでないことを知ることになる。外見は全く同じコピーを創る技術は身に着けても「何かが、違う」ことに、気が付き出したからです

さらに、彼らは続けます。「日本人は、見えないところにも技術を搭載できる民族だ」と。

見えないところ=基礎。見えないところにお金や時間をかけても意味がないという考えの国民性を持つ中国が、出来上がった製品に対する、その「美しさ」「誠実さ」「奥ゆかしさ」に気が付き出したわけです。

デジタル世界のシステムは仮に世界制覇できたとしても、その「匠」は日本を越えられない。インターネットで検索したところで、そこに上がってくる活字や画像は何も語らない。だから、そのものずばりを見に来たと。それも、専門家の話を聞きながら習得したいと。そこには、国境を越えた真摯さがありました。

普段でしたら、場を和ませながらギャグを飛ばす空気を創り出すのが私のお役目ですが…今回は、ジョークの中にも真剣なまなざしのある、血の通った貴重な時間。まじめな話を真っ向から向き合える人間関係は、そうそうできるものではありません。

今回のアテンドで学んだことといえば?相手の気持ちを真っ向から100%受け取れることができる日本人でないと、中国人との交流は難しいかなと。これから、ますますこの手の視察団は後を絶たなくなるでしょう。ちょっとは、中国人がウケるギャグをせいぜい勉強しておかないと…(笑)

■筆者プロフィール:入江佐和(マダム佐和)
1964年生まれ。京都府出身。関西外国語大学英米語学科卒。全日空の客室乗務員関西空港に所属し、主にアジア便で12年勤務した。ノエビア化粧品の商品開発チームで経験をつんだのち、NHK大河ドラマで地域おこしのプロデューサーとして常連組となる。さらに、上海のラジオ番組「マダム佐和のダイナマイトストア」と「宮ちゃんの花風水」でパーソナリティを務めるなどマルチに活躍している。
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