大学の国際影響力低下が懸念される日本

配信日時:2018年2月14日(水) 9時20分
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英国の高等教育情報誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」がこのほど発表した「2018年アジア大学ランキング」によると、東京大学は、昨年からワンランクダウンして第8位、日本の大学で唯一、トップ10入りを果たした。東大以外で上位100校入りを果たしたのは、昨年より1校少ないわずか11 校だった。日本人は、「日本で最高の大学が、アジアランキング第8位?」や「これから、日本の存在感は薄れ続けていくだろう」、「何らかの措置を講じるべき時がやってきた」といったコメントを次々寄せ、懸念する思いを吐露している。人民日報が伝えた。

日本の大学が国際ランキングでランクダウンしたのは、今回が初めてのことではない。「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が昨年発表した世界大学ランキング」においても、トップ200校入りした日本の大学はわずか2校のみ、論文発表数と論文被引用数も減少の一途を辿っている。

東京大学で数十年にわたり教鞭を執る米国出身のロバート・ジェームズ・ゲラー名誉教授は、「ランクダウンしているのは東京大学だけではない。他の日本の大学も同じ状況だ。その主な原因は、日本経済の低迷状態が続いていることにある。日本政府は、大学教育に関する予算を大幅に削減している」との見方を示した。

日米両国の大学教育に詳しい豊田工業大学シカゴ校の古井貞煕校長は、日本の大学のランキング低下をめぐり、長年研究を続けてきた。古井校長は、「日本に比べ、米国の大学の教員と学生は、教育と学習により真摯に取り組んでいる。教員と学生は、いつでも情報交換を行い、討論を展開し、共同研究を進めることができる。また、米国の大学の教育と研究には、強烈な『社会意識』が備わっており、大学教育委員会は、社会のニーズを満たすための各大学の様々な努力に対する検討を続けている。このような状況から、米国の大学レベルは高まり続けている」と指摘した。

また古井校長は、「日本の大学教員は、『雑務が多すぎて、教育や研究に十分な時間を取ることができない』と常に訴えている。日本の大学で教授を務めてきた自分自身も、同じように感じている。日本の大学は、運営事務方の職員が少なく、専門化されていない。このため、教員が、ある程度の時間やエネルギーを大学運営のための雑務に費やさなければならず、米国の大学のように、教育・研究に全身全霊を傾けることができない。また、日本の大学教員は給与面においても国際的な吸引力に乏しい。大学教育のトップ人材の多くは、日本の大学で職を得たいとは思っていない」とある文章の中で指摘している。

一国の科学研究レベルは、その国の大学教育レベルを反映している。日本の「週刊東洋経済」の最新号に、日本の大学教育をめぐる問題に関する文章が掲載された。同文章は、日本の国公立大学と私立大学がいずれも閉校のリスクに直面しているのと同時に、日本の科学教育も深刻なリスクに直面していると指摘。現在のような成果だけを追い求めるという現状が続けば、ノーベル賞を受賞するような有能な人材が日本に出てくることは望めないと危惧している。

一部の著名学者も、日本の大学の現状について深い憂慮を感じている。2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏は、「日本の大学の教員は、研究費を獲得するために、申請書類の作成に多くの時間を費やし、関連書類を準備しなければならず、研究のための時間が取れなくなっている」と指摘。2015年にノーベル物理学賞を受賞した、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長も、「日本の大学の運営費交付金はどんどん減少している。大学は、生き残るために人件費を削減し、そのしわ寄せが大学の教員に及んでおり、本分である研究以外の多くの雑務をこなさなければならない」と話している。

日本政府は2013年、「日本再興戦略」を打ち出し、「今後 10 年間で世界大学ランキングトップ 100 に 10 校以上をランクインさせる」ことを目標に掲げた。分析によると、現状から見て、この目標の達成はまず不可能とみられる。政府が有効な措置を講じない限り、アジア大学ランキングトップ100に10校以上をランクインさせることさえも難しいと見られている。(編集KM)
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