<日本人が見た中国>中国人が日本に示す興味に比べ、日本人が中国に示すその量は1/10以下

Record China    2011年11月15日(火) 19時53分

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中国に渡って10年。現在、「中国で最も有名な日本人俳優」と称される矢野浩二氏が、日本の若者に向けて激励を送っている。

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※中国に渡って10年。現在、「中国で最も有名な日本人俳優」と称される矢野浩二氏によるコラム。

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中国で生活している日本人として、日ごろから日本・中国の情報を同時に受け取っている。ネットのブログなどを見て思うことは、中国の方々が日本に示す興味の量に比べ、日本人のそれは1/10以下だということ。中国のネット上では、日本や日本人に関しての話題は多い。

アイドルの話題、アニメ、日本のマナーや文化、日本人の精神、スポーツ(サッカーなど)、日本の政治、戦争時代の話題…。あくまでこれは僕個人の主観であり、統計をとったわけではないので100%正確ではないだろう。ただ、ひとつだけ言えるのは、中国人の日本に対する興味より日本人の中国に対する興味の方が少ないということだ。今年3月の震災と原発事故以後、日本人の内向き傾向はさらに強くなったかもしれない。

日本が米国に対し強い興味を抱く割に、その逆が少ないのと同じだ。むしろ米国人の興味は今、日本よりも中国へ向かっている現実がある。経済面で言えば、もはやヨーロッパの目も日本に向いておらず、中国を見ている。そして、その現実を知らない日本の一般の方々が少なくないということ。

中国には伝統的で奥深い文化がある上、外国のものを積極的に受け入れる姿勢があり、イマドキの若者は目が輝いている。これからの日本も、若い世代は外に目を向けることが大事だと思う。無難な生き方を選択するよりも、人生はたった一度なのだから、大いに冒険してもらいたい。

私事だが、私は30歳で中国デビューした。自分にとっては冒険だった。「ニーハオ」「シエシエ」しか話せない状態で北京での生活を始めたが、今考えればただの無鉄砲だったかもしれない。

しかし、10年経って現在の成果を得ることができた。バカでも、やればできる。自分は非常に幸運だと感じている。

「もう少し早く中国でデビューしていれば、もっと大きな成果を得られたのになぁ」などと思うこともあった。言葉ももっと上達しただろうし…。しかし成果に関しては、スタートが早いからといって大きな成果を得られるとも限らない。逆に、遅いからといって望みがないとも言えない。時機。タイミングというものがあるのだと思う。人にはそれぞれのふさわしいタイミングがあるはずだ。

日中関係も同様。来年は国交40周年記念の年。つまり、最高の時機となる。2012年、日本人の対中意識が大きく変わることを期待したい。

マスコミの報道で植えつけられた固定観念や偏見、ここから先ず変えなければならないだろう。そうすれば、中国の人達の日本への意識も変わっていく。その時に初めて、日本が本当の意味で元気を取り戻すのだと私は思う。

●矢野浩二(やの・こうじ)

バーテンダー、俳優の運転手兼付き人を経てTVドラマのエキストラに。2000年、中国ドラマ「永遠の恋人(原題:永恒恋人)」に出演し、翌年に渡中。中国現地のドラマや映画に多数出演するほか、トップ人気のバラエティー番組「天天向上」レギュラーを務める。現在、中国で最も有名な日本人俳優。2011年、中国共産党機関紙・人民日報傘下の「環球時報」主催「2010 Awards of the year」で最優秀外国人俳優賞を日本人として初受賞。中国での活動10年となる同年10月、自叙伝「大陸俳優 中国に愛された男」(ヨシモトブックス)を出版。

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