2011年5月26日、中国人ブロガー、姜北樹（ジアン・ベイシュー）氏が「金正日総書記はなぜ飛行機が嫌いなのか？」と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博報に掲載した。以下はその内容。

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金正日（キム・ジョンイル）総書記は1983年6月からこれまで7度訪中しているが、いずれも専用列車で中国入りしている。なぜ、そこまで列車移動にこだわるのか？まずは、テロへの警戒だろう。飛行機は起爆装置さえ正常に作動すれば、その成功率は100％に近い。金総書記は1987年の大韓航空機爆破事件など、自ら航空機テロを指揮したことがあるため、その威力も熟知しているはずだ。

それに、最新型の航空機を買う資金もないのだろう。北朝鮮は長い間、国際社会で孤立し、厳しい経済制裁を受けている。経済的に苦しいため、航空機のメンテナンスも難しい。旧式の航空機しか持っていないため、今回の訪中では中国に最新型戦闘機の供与を再度求めるのではないかと注目が集まっている。

金総書記が底を尽きかけている食糧より戦闘機を欲しがるのは、北朝鮮空軍の惨状がこれ以上耐えられないほどになっているからだろう。消息筋によると、過去10年の訓練中の墜落事故は44件。その原因は航空機の老朽化だ。北朝鮮はこれまで韓国の「太陽政策」により、巨額の資金を手に入れてきたが、彼らはそれを核とミサイルの開発に使い、空軍の増強は後回しになっていた。

北朝鮮が急に戦闘機を欲しがるようになったのは、「天安号」事件以降だ。韓国と局地的な戦争が勃発した場合、強力な空軍を持つ米韓連合軍にかなわない。戦争が拡大すれば、平壌の安全も脅かされる。これが今回、金総書記を中国の旅に向かわせた最大の動機だ。国民の食糧難ではなく、自らの身の安全を守るためにやって来たのだと筆者は考える。（翻訳・編集/NN）