<このごろチャイナ・アート&A>門外不出・37m壁画に作者の大きさ、「平山郁夫と文化財保護」ー東京

Record China    2011年2月7日(月) 14時10分

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2011年2月、薬師寺門外不出の障壁画「大唐西域壁画」、これを一堂に見ることができるだけで東京国立博物館に出かける価値がある。「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」。3月6日まで。写真はシルクロード。

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2011年2月、薬師寺門外不出の障壁画「大唐西域壁画」、これを一堂に見ることができるだけで東京国立博物館に出かける価値がある。「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」展。

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仏教を日本に伝えたシルクロードの起点・長安(現在の西安)の大雁塔からスタートして嘉峪関、須弥山を模したヒマラヤを経てナーランダ寺院(インド)に至る7枚、全長37mの大障壁画。平山が20年をかけて書き残し現在は薬師寺の本尊となっている作品群は、一般には小さな画像で紹介されるしかない。私自身も正直、画集などで見た時には平山作品の良さを想像できなかったが、自然や歴史の雄大さ、悠久さ、さらには作者の大きさを感じる上で、それらは残念ながら実物とは比べるべくもない。

作品の存在感に加えて、展覧会タイトルにある通り、広島の被爆者であった平山がシルクロードにおける文化財保護において果たした役割の偉大さも、創作だけで終わらなかった彼の業績として特筆される。アフガニスタンの流出文化財を返還しようと、ユネスコと組んで推進した文化財保護活動はその一つだが、こうした世界でも初めての挑戦が日本から始まったことは誇らしい。

日本中国友好協会会長も務めた平山の政治的な評価には異論もあるようだが、かつてのお金のない中国など途上国を様々な面から助けようとした志は否定できない。中国マネーを取り込む経済面ばかり熱心に映る今どきの日本人だが、かつては彼のような見返りを求めない活動も多かった。(文章:kinta)

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