<中国気になる話>土石流災害は人災なのでは?!ダムの整備不足、森林の過剰伐採も響く

Record China    2010年8月11日(水) 17時31分

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2010年8月、ブログ「Kinbricks now」は、甘粛省の土石流災害について取り上げた。現時点で700人を超える死者を出した土石流は、ダムの未整備と森林の過剰伐採が生み出した「人災」の可能性があるという。写真は9日、土石流の被害が生々しい舟曲県。

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2010年8月、レコードチャイナのライターによるブログ「Kinbricks now」は、甘粛省の土石流災害について取り上げた。現時点で700人を超える死者を出した土石流は、ダムの未整備と森林の過剰伐採が生み出した「人災」の可能性があるという。

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甘粛省甘南チベット族自治州舟曲県で起きた超大型の土石流災害。10日正午時点で確認された死者数は702人、不明者は1042人に達した。なぜこれほどの災害が起きたのか、未然に防げなかったのか、今後の検証が求められている。2010年8月10日付財経網は記事「ダム2基の決壊が舟曲の災害被害を悪化させた」を掲載、災害は人為的要因によるものだと分析した。以下はその抄訳。

現地取材後、舟曲県上流のダム2基の決壊が土石流の被害を悪化させた要因である可能性が高いことが明らかとなった。高い山の上にあるダムは県中心部の頭上に置かれた「たらい」のようなもの。上流のダムは高さ7〜8メートル、幅4〜5メートルの規模だが、長年、未整備のままだったという。昨年、ようやく改修工事が始まった。まもなく完工するという今、土石流の被害を受けた。ダム決壊当時も出稼ぎ農民数人が作業中で、命を落としている。

上流のダムの決壊は下流のダムを直撃、決壊させた。2つの「たらい」から同時にあふれだした水に押し流された土砂や石が街道を埋め、村や住宅地を覆い尽くした。2基のダムは洪水防止と県中心地への給水という役割を担っている。今回の土石流により流れが詰まり、ダム湖が形成されたばかりか、被災地の飲用水の確保にも支障を来すこととなった。

ダムは深刻な被害を受けた月園村からわずか3キロの位置にある。月園村の被害は甚大で、村全体が押し寄せた土石流により平地と化した。800人以上いる村民のうち、生存が確認されたのはわずか120人に過ぎない。

土石流が発生した当時、県中心地に降っていた雨はそう強いものではなかったという。しかし上流の雨量は大きく、ダムの決壊を招いた。ダム決壊の理由はまだ明らかとなっていないが、付近が禿げ山になっていたことで、石が剥がれやすい状態になっていたことが被害を拡大させたことは間違いない。

現地住民によると、かつては付近の山々もうっそうとした木々に覆われていた。1980年代以来、村民たちは大量の伐採を続け、住宅の建材とした。そうして樹木の数はどんどん減っていったという。(筆者:chinanews)

■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「Kinbricks now」「21世紀中国ニュース」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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