「所得倍増計画」、中国には必要ない―英紙

Record China    2010年6月15日(火) 7時33分

拡大

13日、英紙は「中国に『所得倍増計画』は必要ない」と題した記事を掲載した。写真は江蘇省南京市にある鋼材の加工工場。

(1 / 3 枚)

2010年6月13日、英紙フィナンシャル・タイムズは「中国に『所得倍増計画』は必要ない」と題した記事を掲載した。以下はその内容。中国経済網が伝えた。

その他の写真

労働問題を所管する中国人力資源・社会保障部の官僚が、最近の中国メディアで目立っていた「中国も『所得倍増計画』を推進すべき」との論調に積極的な姿勢を見せた。しかし、政府のこうした介入は善意によるもので、見たところ人情や道理にもかなっているのだが、市場のねじれを増長させることもしばしばだ。

およそ30年前、中国が改革開放を始めた当時、賃金や就業環境の面で条件が良いと見なされた製造業は大量の農業人口を都市へと移動させた。その数の多さが賃金の上昇を抑える一方、都市の物価はそれを上回る速度で上昇。しかも、農村出身の労働者は都市戸籍を持っていないため、都市住民と同等の社会保障が受けられない。こうして、農村の余剰労働力は次第に都市に行きたがらなくなっていった。

農村からとめどなく供給されていた余剰労働力という中国にとって極めて優位な条件は、ほぼ消滅した。だが、数年前に農村で行った調査では、労働力の大量流出によってもはや子供と老人しか残らない地域が増えていることも分かっていた。今後は以前と同じペースで都市に労働力を供給することはできない。調査結果は中国が「ルイス・ターニング・ポイント」に差し掛かったことを暗示していたのだ。

中国社会科学院で人口と労働力の供給問題を長年研究している蔡[日方](ツァイ・ファン)教授の統計によると、中国の出稼ぎ農民の賃金は04年〜07年の3年間で約7%上昇したが、昨年はわずか1年間で16%も上昇した。つまり、中国経済がこのまま順調に発展すれば、出稼ぎ農民の賃金も引き続き上昇する余地があるということだ。その速度も7%は下回らないだろう。

このまま政府が何も手を下さなくても、10年以内に賃金を倍増させることは可能だ。だが、「賃金は年平均15%増、5年以内に2倍」を想定しているのなら、相当な努力が必要だろう。しかし、賃金の上昇速度が労働生産率の上昇を上回るようであれば、企業の競争力は低下する。そうなれば、企業の受注は激減、労働者は失業し、「倍増」どころではない。中国政府は賃金への直接介入をするのではなく、出稼ぎ農民の社会保障の改善に目を向けた方が良いのではないか。(翻訳・編集/NN)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携