<在日中国人のブログ>日本人に深く根ざしている「アニメ魂」、その背景とは?

Record China    2010年4月2日(金) 23時21分

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3月30日、北京出身の作家、毛丹青氏が、「日本人に深く根ざしているアニメ魂」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。写真は秋葉原。

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2010年3月30日、北京出身の作家、毛丹青(マオ・タンチン)氏が、「日本人に深く根ざしているアニメ魂」と題した記事を中国のブログサイト・新浪博客に発表した。以下はその概略。

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女子高生を狙った連続通り魔の事件をテレビのニュースで知った。驚いたのは警察が公開した容疑者の似顔絵だ。これは、何かのアニメの登場人物なのか?そのあまりの「マンガチック」な出来栄えに、番組司会者も言葉を失っていた。では、日本人のこれほど強烈なアニメ魂はどこから来るのか?それは、あまりにも規律正しい日常生活の反動ではないかと考える。

例えば、郊外にマイホームを建てたサラリーマン。朝早く自宅を出なければ出社時間に間に合わない。子供に「おはよう」も言えず、ごみ出しまでさせられる。ささやかな贅沢は、お弁当を食べた後に飲む缶コーヒー。家族の幸せのため、遅くまで残業をこなし、お腹ペコペコで満員電車に揺られて帰宅する毎日だ。

専業主婦も似たようなもの。朝早く出勤する夫のためにお弁当を作るところから、忙しい1日が始まる。夫を送り出したら、子供を起こして支度させ、幼稚園や保育園まで送り届ける。その後は、掃除、洗濯、買い物、炊事。毎日はこの繰り返しだ。日本では熟年離婚が多いというのもうなずける。人生の大半を単調な毎日に捧げてきた彼女たちが、晩年だけでも弾けたいと思うのは当然だろう。

だが、こうした単調な生活リズムこそが、日本人のアニメ魂を刺激するのだろう。最近出版された「田中宏和さん」という本も面白い。同姓同名の14人の私生活を紹介した内容だが、「田中宏和」を1つのロゴに見立て、それを繰り返す手法も一種のアニメ的志向だと関係者が言っていた。個性的な新聞広告はかなりのインパクトだ。

私が教える大学に高校生が見学に訪れたことがある。みなが同じ制服というのは確かに見栄えは良いが、彼女たち女子高生の笑顔や動作までみな同じに見えてしまう。その独特な雰囲気はアニメの世界そのもの。何とも不思議な世界だ。(翻訳・編集/NN)

●毛丹青(マオ・タンチン)

北京出身の作家、大学教授。85年、北京大学卒業。中国社会科学院哲学研究所助手研究員を経て87年に初来日。三重大学に学び、大手商社に勤務するが「にっぽん虫の眼紀行―中国人青年が見た『日本の心』」で作家に転身。日本語・中国語の2か国語で執筆し、「狂走日本」「珠玉の中国語エッセイで学ぶ 長文読解の“秘訣”」など著書・訳書多数。99年、「神戸第28回ブルーメール文学賞」を受賞。09年4月から神戸国際大学で教授として教鞭をとる。日本語ブログ「神戸国際大学教授−毛丹青オフィシャルブログ」も展開中。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

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