中国の所得格差、教育や平均寿命にも影響=米専門家が分析―中国

Record China    2010年1月29日(金) 8時59分

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27日、1949年に建国された中国が追い求めていたのは階級差のない社会だったが、建国60年が過ぎた現在、格差がますます拡大する社会になっている。写真は中国の労働者。

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2010年1月27日、中国日報(電子版)によると、米ミズーリ州立大学の専門家による中国の所得格差問題の背景を分析した記事が発表された。1949年に建国された中華人民共和国が追い求めていたのは階級格差の撤廃だったが、建国60年が過ぎた現在、格差がますます拡がる社会になっている。建国の父・毛沢東氏は草葉の陰からどう見ているだろうか。

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毛沢東という指導者によって旧来の官僚腐敗や農民搾取が撤廃され、全国に教育や医療制度が敷かれた中国はその後、トウ小平の手で開始された改革開放政策で、「特殊な社会主義」を実現した。1979〜2007年の約30年間で、GDP成長率は平均10%という急速な発展を続け、3億人が貧困から脱出、世界に名だたる経済大国に成長した。中国は20年には米国を抜いて世界最大の経済大国になると予想されている。

しかしその一方で多くの社会問題が生まれ、国民の所得格差も日に日に浮き彫りになっている。中国社会科学院の調査では、国内で上位10%までにランクインしている高所得者が、中国全国民が有する資産のうち40%を保有している。

中国のジニ係数(所得分配の不平等さを測る指標。0〜1で示され、0に近いほど格差が少ない)は、78年では0.18だったが90年には0.36に上昇。その後さらに0.50にまで達している。中国の所得格差はすでに韓国や台湾を上まわり、中南米諸国の水準に近づいている。都市部と農村部、経済の発達している沿海部と開発が遅れている内陸部の間で格差が拡大しており、例えば貴州省の農民の平均収入は上海市民の10分の1程度だという。

こうした格差は教育機会、医療保障や平均寿命にまで拡がっている。問題を認識している中国政府は農村や貧困地区の格差是正を積極的に進めているものの、根本的な解決には至っておらず、各地でデモや群衆事件が頻発する原因になっている。記事では、こうした状況を政府だけが負担するのは現実的ではなく、新興富裕層による医療施設建設などの社会貢献が不可欠としている。(翻訳・編集/岡田)

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