転んだ老人は助けるな?!「南京の彭宇事件」で失われた中国のモラル―中国紙

Record China    2010年1月18日(月) 18時27分

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16日、中国青年報は記事「老人が転んでも誰も助けようとはしない、彭宇事件は中国のモラルの水準を後退させた」を掲載した。写真は昨年末の「ネコババ裁判」の被告。拾ったお金をとどけたところ、ネコババしたとして訴えられてしまった。

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2010年1月16日、中国青年報によると、今月9日、あるネットユーザーは街中で転んだ老人を助け起こした経験をネットで公開し、「後で大変なことになるのではと心配だった」と不安を明かした。この問題に関してあるウェブサイトではアンケートが実施されたが、13万人の投票者のうち「助ける」との回答はわずかに4%だった。

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こうした心理の背景となっているのが2006年に南京市で起きた彭宇(ポン・ユー)事件。転んだ老人を助け起こし病院に送り届けた彭宇さんだが、その老人は彭宇さんが突き飛ばしたために転んだと主張し、13万元(約173万円)の賠償を求めて告訴した。裁判所は「本当に正義の心からの行動なら、老人を助け起こす前にまず犯人を捕まえるはず」と推測し彭宇さんを犯人と認定、7万9000元(約105万円)の支払いを命じた。

民法を専門とする中国人民大学の張新宝(ジャン・シンバオ)教授は、賠償を求める際には原告に立証責任があったと指摘、彭宇事件の裁判は妥当ではなかったと分析した。不当な判決であった可能性が有力だが、同事件が社会に与えた影響は大きいと北京大学社会学部の夏学鑾(シア・シュエルアン)教授は見ている。「もともと中国社会には信用危機が存在していましたが、同事件はモラルをさらに後退させるものとなりました」と述べている。(翻訳・編集/KT)

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