<三峡ダム>ついに建設最終段階に突入、立ちはだかる3つの壁―中国

Record China    2009年6月30日(火) 10時19分

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28日、中国の威信をかけた国家プロジェクト「三峡ダム」の建設は今年中の完成に向けて最終段階に突入。だがそこには解決しなければならない3つの大きな問題があるという。写真は三峡ダムの重慶市雲陽市区間。

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2009年6月28日、三峡ダムの建設は1992年4月3日の第7期全人代第5回会議での採択から17年が過ぎた。現在は最終段階の第3期工事中であり、09年に発電所を含めた全プロジェクトが完成する予定だが、そこに到達するまでに3つの大きな壁を乗り越えなければならないという。「21世紀経済報道」が伝えた。

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1つは住民の移転問題。もともと土地が少ないのに人口の多い地域であったため、重慶市では三峡ダム建設で移転させられた「三峡移民」1人あたりの耕地面積は平均で0.58ムー(約386平方メートル)とごくわずか。0.5ムー(約333平方メートル)以下の土地しか与えられなかった移民が6万3000人も存在する。

2つ目は産業振興の立ち遅れ。ダム建設にともない多くの企業が廃業や転業を余儀なくされ、産業の空洞化が目立つように。このため重慶市のダム建設関連地区では08年に8.5%という異常に高い失業率を示した。

3つ目は生態系や環境の破壊。ダム本体完成後、水流速度が緩慢となり自浄能力が急激に低下した。長江支流では水の富栄養化現象が顕著になっている。またダム建設や住民移転のために開発で生まれた土砂が長江へ流れこみ、水質の悪化は深刻なものとなっており、さらに三峡ダム建設地域の長江両岸が非常にもろく崩れやすい地質であるとの報告もある。

重慶市の潭栖偉(タン・シーウェイ)副市長はメディアに対し、「三峡ダムが今年完成しても、ダムの両岸工事は今後さらに5年から10年はかかる」と述べている。(翻訳・編集/本郷)

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