<レコチャ広場>「司法の知恵」を許していいのか?サウナ嬢官僚刺殺事件の「勝訴」を考える―中国

Record China    2009年6月18日(木) 22時42分

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09年6月、個人ブログ「21世紀中国ニュース」は、中国で話題となっているサウナ嬢官僚刺殺事件の判決を取り上げた。被告の刑事罰免除を喜ぶ声にあくまで法律にのっとった裁判を求めるべきと批判している。写真は問題の裁判。

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2009年6月、レコードチャイナのライターによる個人ブログ「21世紀中国ニュース」は、中国で話題となっているサウナ嬢官僚刺殺事件裁判の判決を取り上げた。被告の刑事罰免除を喜ぶ声にあくまで法律にのっとった裁判を求めるべきと批判している。

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以下は同ブログから。

6月16日、ある注目の裁判で判決が下されました。

17日付レコードチャイナ「異例の判決に「司法が知恵発揮」の声も=傷害罪認定も刑罰は免除―湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州」で詳しく伝えていますが、事件のあらましは以下のとおり。

5月10日、湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県のサウナで事件は起きた。同県野三関鎮のデン貴大(デンは登に都の右)企業誘致主任ら官僚3人が客としてサウナを訪問、従業員のデン玉嬌さんに性的な「特殊サービス」を求めた(登場人物の名字がデンばかりでややこしいです)。デンさんは拒否したが、主任らは離席を許さず、罵倒し関係を強要しようとした。そこで抵抗したデンさんは果物ナイフでデン主任を刺殺、もう一人の官僚を負傷させた、というもの。

官僚が風俗に遊びに行っていたことへの反感(性的サービスは違法)。裁判途中にデンさんの弁護士が警察の介入により解任されたことへの反発から市民の注目が集まり、「正当防衛として無罪にするべき」との声が高まっていました。

そこで「司法の知恵」の発揮です。デン玉嬌さんは気分障害を申し立てていましたが責任能力はあると認定、ただし殺人罪ではなく傷害罪で有罪としました。一方で情状酌量して刑事罰は科さないという判決。

罪は認定するも罰は科さない。異例の判決は検察、司法の面子と世論との双方に配慮したものとなりました。

世論の勝利だと喜ぶ意見からあくまで無罪にするべきという意見まで双方あるようですが、疑問なのは司法、すなわち「法治」が見事に踏みにじられているということ。デンさんのケースが正当防衛にあたるのかどうかについてはわたしには判断がつきませんが、裁判の結果は「傷害罪を犯しても社会的な支持があれば無罪」というとんでもないものになっています。

そもそも中国市民がこの裁判に注目したのは公正、正義が踏みにじられているという怒りのためだったはず。官僚が絶大な権力を保有し、それを恣意的に行使できる中国社会の現状に対する批判だったはずです。いかに世論を恐れたとはいえ、情状酌量の域を超えて裁判所が恣意的に「大岡裁き」を下すことは、現在の状況に対するカウンターというよりは追認に近いもの、ある意味では現状からの後退すら意味するもののように思います。

デンさんの裁判を「お上の温情が与えられた希有なケース」で終わらせるのではなく、社会全体を正す問題だと位置づけるのならば、異例の判決に喝采を送っている場合ではありません。官僚の恣意的な権力の行使ではない、「公正な裁判」をあくまで求め続けること。それこそが今、必要なことではないでしょうか。(筆者:chinanews)

■「21世紀中国ニュース」は中国在住経験を持つ翻訳者のブログ。『21世紀は中国の世紀』と言われその成長がもてはやされるなか、「このまますんなりと発展が続くとは思えない」と考え、スポーツにとどまらず中国関連の「気になるニュースをピックアップし」紹介している。FC2ブログに掲載。

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