2009年5月23日、中国社会科学院日本政治センターの特約研究員、王冲（ワン・チョン）氏はブログで、来年5月に開幕する上海万博のテロ対策について、イスラエルの専門家が「北京五輪より複雑になる」と述べたとする記事を掲載した。

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記事によれば、イスラエル・ヘルツェリアに拠点を置くシンクタンク、対テロ国際政策研究所で高級研究員を務めるカイマン氏は22日、上海都市公共安全研究センターらが主催した上海万博の安全保障に関する研究討論会に招かれ、中国のテロ対策に対する助言を行った。

上海万博は開催期間が6か月と長く、来場者も7000万人を超えると見込まれている。これに加え、国際的なテロ組織や東トルキスタンの中国からの分離独立を目指す「東トルキスタンイスラーム運動（ETIM）」などがこの機会に重大事件を起こす可能性もあるとカイマン氏は指摘。そのため「北京五輪より厳重な警戒が必要」と訴えた。

また、こうしたテロ組織が生物化学兵器への関心を高めていることにも注目。「特に情勢不安定なパキスタンで核兵器の管理に漏れが生じた場合、我々にとって最大の脅威になる」との懸念を示した。（翻訳・編集/NN）

●王冲（ワン・チョン）

中国社会科学院日本政治センター特約研究員。ジャーナリスト。過去に中国青年報の記者を務め、中国で初めてオバマ米大統領の取材に成功した記者である。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。