2009年4月14日、「司馬南」を名乗る中国人男性が「片目で見る北朝鮮の食糧難」というタイトルの文章をニュースサイト「鳳凰網」のブログページに掲載した。中国前漢時代の歴史家・司馬遷に傾倒しているという筆者は、国際社会が注目している北朝鮮の食糧事情について個人的見解を示している。

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「北朝鮮で国民が飢え死にするのも経済危機が続いているのも、すべて国家体制や計画経済のせいだと論じる人がいる。私は北朝鮮を訪ねた経験があり、現地視察も行ったことがある。私も最初は国家体制のせいで国民が満足に食べられないのだと思っていたが、実際のところはもっと複雑な理由が存在する」と、3つの問題を指摘した。

1つは、穀物の収穫量の減少。穀物減産の最大の原因について北朝鮮側は「自然災害」をあげる。2つめは化学肥料や農薬の不足、灌漑施設や農業機械の不足、電気などのエネルギー不足があげられる。3つめは、韓国、日本、米国の脅威。北朝鮮と韓国は現在休戦中であり、いつ何時再開するかわからない。このため常に軍事優先であり、食糧増産よりも軍備増強に巨額の予算を投じている。

だが北朝鮮人の平均寿命は71．37歳（男性68．65歳、女性74．22歳）で、中国と変わらない。識字率は99％と高く、男女平等。住居費、医療費、教育費はすべて無料だ。北朝鮮は往々にして「非理性的な表現」をとりたがるが、この国を批判して制裁を加えれば「火に油を注ぐ」結果になることは間違いないと筆者は指摘する。

なお、この文章には16日午後現在、1500件近いコメントが書き込まれているが、「家族に飢え死にした人がいたら、こんな文章は書けない」「飢え死にした国民の数を無視した平均寿命だ」と批判的な内容がほとんどとなっている。（翻訳・編集/本郷）