2008年9月29日、英国BBCニュースサイト中国語版は、人民大会堂で同日開かれた北京五輪と北京パラリンピックの出場選手に対する表彰会で、胡錦濤国家主席や習近平副主席が北京五輪の大成功を強調したと報じた。

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同紙はメラミン混入粉ミルクによる被害が拡大していく中、中国の指導者らはことさらに北京五輪と初の宇宙遊泳を行った神舟7号の大成功をたたえ、国民の愛国心を鼓舞することで国家に対する不満不平を押さえこもうとしていると指摘した。

胡主席は約1時間にわたり、北京五輪の成果について演説。「オリンピックの歴史のなかで、北京五輪は強烈な印象を残した」と述べた。北京五輪は海外でも高く評価されたが、一方で五輪に反対する人々の抗議活動を当局が弾圧したと非難する声も多い。五輪閉会後、中国のメディアはその成功を何度も繰り返し国民に伝えたが、その後は神舟7号に関するニュースばかりを伝え、肝心の汚染粉ミルク関連のニュースは姿を消した。

中国政府のこうした報道に関する偏った姿勢が、汚染粉ミルクの被害の拡大を生んだのではないかという疑問の声も同紙は紹介している。（翻訳・編集/本郷）