報道規制に果敢に挑む中国人ジャーナリスト、日本で放送後に脅迫受ける

Record China    2008年9月17日(水) 20時3分

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メディアが報道しない事件の裏側をブログで発信し続ける中国のブロガー・周曙光氏が、先日フジテレビで放映された番組に絡み、自称日本在住の中国人から脅迫まがいのメールを受けていたことがわかった。写真は周曙光氏。

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2008年9月17日、今月14日にフジテレビの番組「サキヨミ」で取り上げられた中国のブログジャーナリスト・周曙光(ジョウ・シューグアン)氏が、自称日本在住中国人から脅迫まがいのメールを受けていたことがわかった。周氏が明らかにした。

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周氏によると、番組放送後、視聴者から数多くのメールが届いた。「報道制限が深刻な中国において、ブログを通じてメディアが報道できない事件を伝えることを高く評価する」といった日本人や日本在住中国人からの応援メールがほとんどだったが、中には周氏の行為を批判する声もあり、「売国奴」「殺したい」などといった過激なものもあったという。

批判的な意見としては、「中国のイメージを悪化させるような報道を海外で行うとは愛国心が欠けている」といったものが多かった。自称北京出身で4年前に日本に留学し、現在日本で働いている王という人物からのメールには、「昨日までお前のことを知らなかったが、殺したくなった。中国のことわざ『家醜不可外揚(身内の醜態や恥は外に晒してはならない)』にもあるように、海外メディアに中国のマイナス報道を伝えるべきではない。お前は平和な時代の漢奸、売国奴だ」などと書かれていたという。

これに対し、周氏と彼の支持者はブログで反論。メールのやり取りすべてを自身のブログに公開した上で、「身内の醜態や恥を暴く者が悪いのではなく、悪事をはたらく者自身が悪いのだ」と語り、中国の輿論審査制度や一党独裁をも批判している。

周曙光氏は現在、喫茶店の開店準備に奔走するかたわら、中国で発生した事件を独自調査し、「Zola」の名義でブログを通じて発表している。ブログに掲載された一文「試してみなければ、自分がどこまでできるかは永遠にわからない」からもわかるように、報道規制の深刻な中国で果敢に事件の生の声を伝えている。

周氏が有名になったきっかけは、海外でも大きく報道された、07年3月に発生した重慶の強制立ち退き事件。今年5月に発生した四川大地震では、ネットユーザーらの経済的援助を受けて現地取材している。また、6月に貴州省で起きた女子中学生殺害に絡んで発生した数万人規模の暴動事件の際には、現地でカメラを回して事件後の現場を収めたほか、被害者の家族から有力情報も得ている。北京五輪期間中も、北京で取材活動を行う予定だったが、地方政府の厳しい監視を受け、こちらは実現していない。(原稿/永井健二)

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