中国農村で高齢者狙う「買え買え詐欺」が多発―中国メディアが相次いで報道

Record China    2017年12月4日(月) 6時20分

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中国では多くのメディアがこのところ、農村部で新手の詐欺が発生していると盛んに報じている。主に高齢者を狙い、集団心理も利用して粗悪品を大量に販売する手口という。 写真は中国の農村部。

中国では新浪網、新聞頭条、時訊網など多くのメディアがこのところ、農村部で新手の詐欺が発生していると盛んに報じている。主に高齢者を狙い、集団心理も利用して粗悪品を大量に販売する手口という。

新浪網などが11月29日に掲載した記事は、農村部ではこれまでもたびたび、住民を狙った詐欺が発生してきたと紹介。現在はインターネットやテレビの普及で個別の手口は急速に知れ渡ってしまうが、詐欺の常習グループが改めて別の手口を「開発」することが繰り返されているという。

最近になり発生している手口は、農村部住民の自らの境遇への認識や射幸心を利用したものだ。詐欺グループはまず、村の中心部にある広場に出現する。時間は午後という。そして居合わせた人に、「明日の午前7時から9時半まで、この場所でプレゼントを無料でお配りします。ただし、数に限りがあるのでご了承ください」などと告げる。

この種の話はすぐに広まる。「何かもらえるなら、行かないと損かな」という心理で、翌朝には予告時間を前にしてすでに数十人が集まっている。多くは高齢者だ。中国の農村では、働き盛りの世代は都市部に出て仕事をしている場合が多い。そうでなくても、早朝から仕事を気にせずにそんなイベントに出かけられる人は高齢者に多い。

詐欺グループは演説を始める。「皆さん、健康に注意してください。自分自身が健康であってこそ、息子さんや娘さんに迷惑をかけないことになるのです」などと、高齢者を感動させる内容だ。

中国、特に農村部では社会保険の整備が遅れているだけに、医療費負担は人々にとって深刻な問題だ。詐欺グループは人々の関心事を織り込みながら言葉巧みに、「われわれは、愛の心を広めるために活動しています」などと自己宣伝する。トレーニングを積んだ語り口だけに、集まった人は「洗脳」されてしまうという。

詐欺グループはさらに、自らの活動は「農村部への利益のフィードバック」などと言い、有名ブランドの家電製品などを2日間限定で、格安価格で販売すると告げる。集まった人々はまだ「様子見」の心理状態だ。詐欺グループも無理に売りつけたりはしない。「われわれの活動を多くの人に知っていただきたいのです。本日は記念品をプレゼントします」などと言って、簡易折り畳み椅子やタオルを配る。

プレゼント品は5元(約85円)程度の安価な品だ。それでも、もらった人は大喜びで帰って行く。うわさが広まり、翌朝には前日と比べものにならないほど多くの人が集まる。そこで「販売活動」が始まる。詐欺グループが改めて強調するのは「数量限定」だ。例えば、「800元(約1万4000円)の電子レンジが400元。ただし数が不足しているので抽選での販売になります」と説明する。抽選に当たった人は大喜びで品物を買う。現金の持ち合わせが足りないことに気づき、急いで家に取りに戻る人もいる。

外れた人はがっかりだ。別の商品購入では何とか当選しようと気合いが入る。「とにかく買わねば損だ」「それっ、何が何でも買え!」との心理状態だ。こうして、詐欺グループが用意した品は、飛ぶように売れていく。ただし、売りつけるのは極端な粗悪商品で、実際には数日間も使えば壊れて使えなくなるような代物という。

中国ではこれまで、「カメラ販売」や「無料健康診断」などを騙(かた)る、農村部住民を狙ったさまざまな手口の詐欺が発生してきた。記事は、詐欺集団は手を替え品を替えしているが、冒頭に「無料奉仕」を行い、次に「格安販売」を強調する手口は共通として、農村部住民に対して「この種の詐欺には十分に注意していただきたい。特に高齢の家族には引っかからないようにしっかり伝えてほしい」と呼び掛けた。(翻訳・編集/如月隼人

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