<コラム>日本で増える中国語表記、親切に見えるがかえって混乱を招くかも

田中 周    2017年11月30日(木) 19時50分

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来日中国人の増加に伴い、簡体字表記も増えています。一見この対応は親切に思えますが、かえって混乱させていないかと思います。写真は筆者提供、「渋谷」の中国語表記。

最近、来日外国人のために、駅名の外国語表記や、外国語のアナウンスが増えています。英語の場合は、駅名はローマ字表記ですし、アナウンスでも日本語と同じ発音です。「渋谷」は「SHIBUYA」と表記され、発音も「シブヤ」なので、多くの日本人も認識ができます。来日中国人の増加に伴い、簡体字表記も増えています。一見、この対応は親切に思えますが、かえって混乱させていないかと思います。

簡体字では、「渋谷」の「渋」が違う表記になり、発音も「サーグゥ」になります。道に迷った中国人が、中国語がわからない日本人に道を尋ねる際に、簡体字の「渋」の文字を見せても、「サーグゥ」と言っても、恐らく相手の日本人はそれが「渋谷」のことだとは分からないでしょう。

東京メトロでは、ハングルやロシア語、タイ語の路線図もあるようですが、この場合は日本人が字を読めなくても、発音を聞けば「シブヤ」に近い発音になり、それを言われても理解ができるのでしょうが、中国語の場合は字も違えば発音も異なるので、かえって混乱を招くことになるのではないかと思うのです。

海外に行っても日本語の路線図があることはまれです。中国語圏でも漢字表記とアルファベット表記だけで、日本語の路線図はありません。よって、目的の駅名を尋ねる時は、現地で使われている表記の漢字か、アルファベット表記に基づく発音を使うことになるので、問題にはなりません。日本でも同じ対応をすればいいだけだと思います。

オリンピックに向けて、国際化、外国人へのおもてなし、というようなことから、多言語化が進んでいますが、切符の買い方、乗り方はその言語で説明するとしても、駅名のような固有名詞については、最低でも発音は日本語と同じになるようにすべきではないかと思います。

■筆者プロフィール:田中 周 (たなか しゅう)

1963年大阪府生まれ。メーカーの宣伝関係部署に勤務し、20年近く中華圏に対する広告、イベント、展示会等の施策を担当。出張した都市は30都市以上。対中国のビジネスを順調に進めるための、ちょっとした気遣い、工夫の仕方、中国人との付き合い方をご紹介。

■筆者プロフィール:田中 周

1963年大阪府生まれ。メーカーの宣伝関係部署に勤務し、20年近く中華圏に対する広告、イベント、展示会等の施策を担当。出張した都市は30都市以上。専門分野は、この経験を踏まえた、対中国のビジネスを順調に進めるための、ちょっとした気遣い、工夫の仕方、中国人との付き合い方をご紹介。

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