北朝鮮兵士亡命事件、監視カメラの映像をめぐる疑問点とは=韓国ネット「韓国軍を信じられない」「北朝鮮兵士はつらかっただろう」

Record China    2017年11月25日(土) 6時50分

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23日、韓国メディアによると、南北境界・板門店のJSA(共同警備区域)で13日に発生した北朝鮮兵士亡命事件の監視カメラの映像が公開され話題を集める中、一部では「韓国軍の対応」をめぐりさまざまな疑惑が指摘されている。資料写真。

2017年11月23日、韓国・ヘラルド経済によると、南北境界・板門店のJSA(共同警備区域)で13日に発生した北朝鮮兵士亡命事件の監視カメラの映像が公開され話題を集める中、一部では「韓国軍の対応」をめぐりさまざまな疑惑が指摘されている。

韓国軍関係者らによると、韓国軍の説明と国連軍司令部が公開した監視カメラの映像を総合すると、北朝鮮兵士亡命事件の決定的場面は午後3時15分、31分、56分の3回。午後3時15分は北朝鮮兵士が車から降り、全力疾走で軍事境界線を越えて韓国側に入った時、31分は韓国軍が熱線観測装備(TOD)を通じて初めて銃撃で負傷した北朝鮮兵士を発見した時、56分は韓国軍の幹部3人(大隊長と副士官2人)が匍匐(ほふく)前進で近づき、北朝鮮兵士を救出した時である。

問題となっているのは、22日に国連軍司令部が公開した監視カメラの映像の中に新たな場面が登場したこと。重傷を負った北朝鮮兵士が韓国側にある建物の壁に寄りかかっているキャプチャー画面だが、時間は午後3時43分と記録されている。合同参謀は韓国軍が午後3時31分ごろにTODで北朝鮮兵士を発見し、56分に救出を終えたと説明していた。発見後すぐに救出を開始し、救出作業に約25分かかったということで、納得いく説明だった。しかし、監視カメラの映像で北朝鮮兵士は午後3時43分まで1人で放置されており、韓国軍は早くても43分以降に救出作業に入ったことになる。つまり、北朝鮮兵士は15時15分に北朝鮮軍の追撃組による銃撃を受けてから43分まで、最低でも28分間は放置されていたことになる。

また、同映像が存在するにもかかわらず、国連軍司令部は救出場面だけTODの映像を公開していたが、これは「大隊長英雄説」を意識したためと考えられている。韓国では北朝鮮兵士の救出後、大隊長が「部下2人をただ見送ることはできなかった」と述べたとの報道が出て、大隊長を英雄視するムードが高まっていた。しかしその後、「録画された救出場面には大隊長の姿が映っていない」との証言が出て物議を醸していた。TODの映像には副士官2人と共に出動した大隊長が後方で援護する姿が登場する。これについて、国連軍司令部関係者は「TODで31分ごろに北朝鮮兵士を発見した後、監視カメラを回し固定させて映像を撮影した。監視カメラの43分の場面はスナップショットだ」と説明し、「今後、追加の映像を公開する考えはない」と明らかにした。

JSA内に北朝鮮軍の銃声が響いた午後3時15分ごろから北朝鮮兵士を発見する31分までの「16分」についての疑問も消えていない。シン・インギュ自主国防ネットワーク代表は「16分は長く感じられるが、現場では違う」とし、「突発的な状況に対応するため状況室の整理やTOD映像の監察などを同時に行うにはそのくらいの時間がかかるだろう」と指摘した。

この報道に、韓国のネットユーザーは「韓国軍は一体何をしていたのか」「しっかりしてほしい。銃声が聞こえたのになぜ警告射撃をしない?」「韓国軍を信じられない」「軍人たちが政権の目を気にしたのだろう。対応射撃はおろか警告放送すらしないなんて」「北朝鮮兵士が一命を取り留めたから良かったけど、正直、韓国軍の警戒には問題があった」「韓国軍を待つ間、北朝鮮兵士はどれだけつらかっただろう?」などのコメントを寄せ、不安感を募らせている。

一方で「結果オーライ。むやみに騒ぎ立てるのはやめよう」「軍よりもメディアの方が信頼できない」との声も上がっている。(翻訳・編集/堂本

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