中国の国歌法、香港にも適用、侮辱で懲役3年と罰則も強化、「一国二制度」の本土化着々

配信日時:2017年11月12日(日) 5時30分
中国の国歌法、香港にも適用、侮辱で懲役3年と罰則も強化
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替え歌やブーイングなどの侮辱を禁止した中国の国歌法が香港にも適用される。罰則も強化された。香港は「一国二制度」によって高度な自治が保障されているはずだが、その建前とは裏腹に「本土化」が着々と進んでいる。写真は中国の国歌が印字された切手。
2017年11月11日、替え歌やブーイングなどの侮辱行為を禁止した中国の国歌法が香港にも適用されることになった。国歌法は10月に施行されたばかりだが、罰則も懲役3年以下と強化された。香港は「一国二制度」によって高度な自治が保障されているはずだが、その建前とは裏腹に「本土化」が着々と進んでいる。

中国の国歌は1930年代に制作された抗日プロパガンダ映画の主題曲だった「義勇軍行進曲」。10月1日から施行された国歌法は中国共産党の習近平総書記(国家主席)が進める愛国意識高揚政策の一環でもある。「義勇軍行進曲」の権威をおとしめるような替え歌などを禁じ、公共の場所で悪意を持って歌詞を変えるなどした場合、15日以下の拘留に処することを定めていた。香港は当初、適用外だった。

中国メディアによると、日本の国会に相当する全国人民代表大会常務委員会は4日、刑法改正案を可決。刑法299条に「公共の場において、中華人民共和国国歌の歌詞や曲を故意に改ざんしたり、歪曲(わいきょく)、毀損(きそん)するような形式で国歌を演奏したり、またはその他方式で国歌を侮辱したりするなど状況が深刻な場合には、3年以下の懲役、拘留、管制(表現や移動、面会などの制限)または政治権利の剥奪に処す」との条文が追加された。

さらに香港の「憲法」に当たる基本法も改正。中国の国歌法を付属文書に盛り込み、香港にも適用されることを決めた。香港政府は立法会(議会)に罰則規定などの関連法案を提出し、成立後に本格運用される。

こうした動きの背景にあるのは、香港の若者を中心とする反中国感情の高まり。民主化を求める若者が中心部を占拠した2014年年の「雨傘運動」以降、香港では若者が中国国歌斉唱の際にブーイングをしたり起立を拒否したりするケースが相次いでいる。

10月10日夜にサッカーのアジアカップ予選のマレーシア戦が行われた際には、試合前の国歌の演奏で中国国歌が流れると、香港サポーターからブーイングが浴びせられたほか、グラウンドに背を向けて中国国歌に拒否を示す観客も少なくなかった。中には中指を立てたり、「香港独立」と書かれた旗を掲げたりした人もいたという。

10月5日にあったラオスとのフレンドリーマッチでも同様の騒動があり、香港特別行政区政務司の張建宗司長は「国歌は尊重されるべきだ」と強調。「サポーターの行為は容認できない」と述べていた。

香港メディアによると、国歌法について香港政府は市民の意見を聞くとコメントしているが、適用自体は動かせない。市民からは「今後、どんな合法的な形で中国政府への不満を表せばよいのだろうか」「国は人民を愛することによって自然と愛国心が生まれるのであって、こんな強制的なやり方は思い上がった高慢な思想だ」などの声も寄せられている。(編集/日向)
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