不正に次ぐ不正で信用失墜、日本製造業の再起は難しい―中国メディア

人民網日本語版    2016年7月28日(木) 8時30分

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自動車のエアバッグの欠陥で注目を集めた日本のタカタ株式会社はこのほど試験データの改ざんが再び明らかになり、三菱自動車をはじめとする自動車メーカー数社の燃費データ不正問題に続く、日本製造業のまた一つのスキャンダルになった。

自動車のエアバッグの欠陥で注目を集めた日本のタカタ株式会社はこのほど試験データの改ざんが再び明らかになり、三菱自動車をはじめとする自動車メーカー数社の燃費データ不正問題に続く、日本製造業のまた一つのスキャンダルになった。新華社が伝えた。

日本の基幹産業である自動車産業でも、かつて世界の最先端にいた家電産業でも、建築や鉄鋼などの国の経済発展を支える動力産業でも、日本の製造業はここ数年しばしば各種法規に違反し、不正やスキャンダルの問題、欠陥の問題が次々明らかになっている。

▽エアバッグ 拡大を続けるタカタのリコール規模

現在、タカタ社製エアバッグを搭載しているために世界で行われた自動車の回収(リコール)の規模は過去最高に達し、影響の及ぶ範囲も過去最大になっている。

エアバッグの問題は2008年に端を発する。ホンダがタカタ社製エアバッグ搭載のためリコールを行った最初のメーカーになり、第1回目のリコール対象車は4000台ほどだった。それから半年後、米国で18歳の女性が交通事故を起こし、膨らんだエアバッグから飛び出した金属破片に頸動脈を切られて死亡し、世界の注目を集めた。その後、米国運輸省高速道路交通安全局には同じようなケースの通報がいくつもあった。ホンダはリコール規模を50万台に拡大すると発表し、これがタカタ社リコール事件の幕開けとなった。

タカタは日本のエアバッグのトップメーカーで、日系自動車メーカーのほぼすべてと取引があり、ドイツの子会社を通じてゼネラルモーターズ(GM)やBMWなどの世界的ブランドにもエアバッグを提供しており、世界市場に占めるシェアは約20%に達する。このように取引範囲が広く多いことから、エアバッグ問題による世界的リコールが「発酵」を続け、日本はもとより、北米、欧州、中国などの各市場でリコールが行われ、規模も拡大した。

▽家電、東芝は業績不振を不正でごまかし

歴代3人の社長がかかわり、8年間にわたる不正会計。これは140年の歴史をもつブランド企業のやることとは思えない。だが東芝グループは実際に、15年に世界の製造業を震撼させるスキャンダルを起こした。

日本の家電産業は自動車産業とともに、かつては日本経済を牽引し、日本が第二次世界大戦後の苦境から抜けだし、世界の経済強国の仲間入りへと後押しした。だが中国や韓国などの国・地域で家電産業が発展すると、日本メーカーの世界シェアは次々に奪われ、業績も低下した。さらに投資戦略や発展構想の選択の過ちもあり、日本の家電メーカーはかつての矜持を保つことが難しくなったのだ。

第三者委員会が昨年7月に発表した報告書によると、14年3月までの5年間に、東芝は1518億円に上る不正な会計処理を行った。スキャンダルにより、14年度の純損失は378億円に達した。

東芝は重大な財務スキャンダルを起こした唯一の日本メーカーではない。東芝の事件発生の4年前には、医療機器・デジタルカメラメーカーのオリンパスの粉飾決算が明らかになり、オリンパスの信用は地に落ちた。オリンパスは11年末、過去20年間にわたり裏帳簿を使って投資の損失を隠し、総額は13億ドル(1ドルは約104.4円)に上ることを明らかにした。

専門家は東芝のケースについて、「取締役会が馴れ合いになり、監査や監督の役割を発揮することが難しくなり、権力が過度に集中して個人による企業の操作コントロールが容易になったため」と説明する。

▽自動車 三菱・スズキが燃費不正

低燃費が日本車の売りの一つだが、ここ数カ月の間に、三菱自動車やスズキ自動車をはじめとする日系メーカーの燃費データ不正問題が相次ぎ発覚した。

三菱自動車の相川哲郎社長は4月20日に記者会見を開き、軽自動車4車種の燃費性能テストを規定外の方法で行い、燃費を実際よりもよくみせかけていたことを認めた。対象車両は60万台を超えた。

三菱自動車は00年と04年にも、欠陥の記録を隠匿し、顧客からの投書で発覚するという問題を起こしている。数十年にわたり国土交通省への報告書で安全問題に言及せず、多数の死亡者が出る事態を招いた。だがこうした事件から教訓をくみ取ることはなく、次々にスキャンダルを起こし、今や存続の危機に直面している。

アナリストは、「低燃費・低価格戦略が日本の軽自動車市場の競争が激化させ、多くのメーカーは燃費データやテストの方法で危ない橋を渡るしかなくなり、最終的には消費者不在の市場シェア争奪戦に至った。これがデータ不正スキャンダルが起きた最も根本的な原因だ」との見方を示す。

▽その他の分野 リーディングカンパニーでスキャンダル相次ぐ

今年6月、日本の3大鉄鋼メーカーの1つ神戸製鋼所は、傘下の神鋼鋼線ステンレス株式会社が不良品の数を減らすため、9年以上にわたり、ステンレス鋼線の強度検査データを改ざんし、不良品を合格品として出荷していたことを明らかにした。

神戸製鋼所は08年にも、子会社が鋼材の出荷に先立ち日本工業規格(JIS)に関するテストを行っていなかった問題が発覚している。

それだけではない。日本の建築業界でも昨年にここ数年でもまれな大型スキャンダルが発覚した。15年10日、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区のマンションが傾いていることが明らかになった。調査の結果、建物を支える杭のうち少なくとも8本が傾いていることがわかった。下請け会社として杭の工事を請け負った日本の建築業大手・旭化成建材株式会社は、施工時に手抜きを行い、施工前には杭を固定するコンクリートの量や地盤の強度などのデータ資料の改ざんも行っていた。

旭化成は日本の建築産業の「名門企業」で、手がけたマンション、オフィスビル、病院などは日本全国各地にある。スキャンダルが発覚すると、前田富弘社長は他の物件でデータ改ざんがなかったとは言い切れないと発言し、日本不動産業の監督管理に存在する巨大なブラックホールの存在をうかがわせた。スキャンダルにより日本の建築産業をめぐる神話は崩壊した。

日本製造業の集団的な落ち込みは、製造業が今、モデル転換期にあって不振に陥り、再起をはかろうとするがうまくいかない状況にあることを反映している。板挟みの中、かつて無限の輝きを見せた日本ブランドは成果を急いで求めるあまり業績不振を覆い隠した。これが日本製造業のここ数年の相次ぐスキャンダルの根本的な原因だといえる。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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