中国の辺境でエイズ予防活動、コンドームが何かさえわからない人も

Record China    2016年1月17日(日) 0時20分

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11日、シンガポール華字紙・聯合早報は、中国の辺境に住む人々の間でひそかに行われる売春が原因でエイズが拡大しており、その感染予防が困難だと伝えている。

2016年1月11日、シンガポール華字紙・聯合早報は、中国の辺境に住む人々の間でひそかに行われる売春が原因でエイズが拡大しており、その感染予防が困難だと伝えている。

米国のNGO・Bless China International(BCI)は、2006年から現地のエイズ感染予防プロジェクトを行っている。雲南省シーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州で活動するBCIの担当者の女性は、プロジェクトの難しさを語っている。

彼女たちはまず、現地の売春宿の経営者や売春を行っている少女らと関係を築く必要がある。これに数カ月の時間を要することもある。そこから、売春婦たちに性に関する知識を教えたり、身体検査を受けるよう促したりする。最終的には売春から身を引かせるのが目的だが、売春宿の経営者にそれが知れると「脅されたり、追い出されたりする」という。

シーサンパンナタイ族自治州は、売春婦の流動が比較的多く、外国人もいる。女性は“新顔”が増えるたびに一から関係を築かなければならない。売春をする少女の多くが、初めは強要されるが、次第に楽に金を稼げることから、抜け出すことが困難になる。

雲南省当局のデータによると、15年10月末の時点で、省内のHIV感染は8万7634例。中国国内で最も多い。シーサンパンナタイ族自治州の売春婦は14〜50歳で、収入が低く、教育レベルも低い。彼女たちはエイズに対する認識が低く、感染リスクが高い。

一般の人々の認識の低さも問題だ。BCIの管理をしていたシンガポールの医師・廖智庠氏によると、当初、現地の人々の9割以上は「エイズ」という名前は聞いたことがあったものの、感染ルートを知っていたのはわずかに0.2%。コンドームが何かを知らない人も少なくなかったという。

BCIの担当女性は、「エイズ患者に対しては同情よりも差別感情の方が強い。ある村では、エイズ感染がわかると、患者が座った椅子を焼きはらい、家の前を通るのも避けていた」と話している。同プロジェクトは初めの2年間はほとんど成果がなかったが、現在までに400人の少女と信頼関係を築き、30人の少女を更生させることに成功しているという。(翻訳・編集/北田

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