<華南トラ>大発見!デッチ上げ?中国揺るがす騒動=地域興しの思惑かー米誌紹介で世界巻き込み論争へ

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絶滅したと見られていた希少動物「華南トラ」の生存が、陝西省内で確認されたとのニュースの真贋をめぐり、中国で連日、熱い論争が繰り広げられている。  

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発端は10月12日の同省林業庁の記者会見。安康市鎮坪県の元猟師、周正龍(ジョウ・ジョンロン)さん(52)が約1か月の捜索の末、40年以上目撃されていなかった野生の「華南トラ」を山中で発見、写真撮影にも成功したと発表した。周さんは賞金2万元(約32万円)を贈られ、一躍地元のヒーローに。

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ところが、早くも数日後、ネット上でユーザーらから「公表された虎の写真に立体感がなく、ニセモノくさい」との声が上がり、中国国内メディアも一斉に追随。中国科学院の植物学の専門家が「虎と付近の植物の比率がおかしく、木の下にあらかじめ引き伸ばした虎の写真を置いたのではないか。周さんは詐欺を認めて自首した方がいい」と述べるなど、一気に雲行きが怪しくなった。

これに対し、陝西省林業庁は「専門家チームが認定しており、虎は本物」とニセモノ説を否定したものの、なぜか「再調査はしない」としている上、周さんが「手元にある」と主張するネガもまったく公開しないなど、疑惑解明にはほど遠い対応ぶり。実は今回、虎が発見されたとされる地域を中心に「自然公園」を建設しようとの計画も持ち上がっており、「肝心の虎が実は存在しないとなれば、それも頓挫し、国から予算もおりない。せっかくの地域興しのネタをつぶしたくないから、省サイドは音なしの構えで疑惑騒ぎの鎮静化を待つつもりかも」と、うがって見る向きも。

折りしも、米国科学振興協会(AAAS)刊行の科学専門誌「Science」11月9日号に周さんの「疑惑の写真」が掲載されることになり、「幻の虎」論争は世界に飛び火する格好となった。ただ、同誌は「写真の真偽はともかく、華南トラの存在証明には体毛や足跡などの他の証拠が絶対に必要」と冷静な見方を促している。

中国政府もこの論争を無視できず、「調査チーム」を現地に派遣することは明らかにしているが、これまでに現地で調査に着手したとの情報はない。偽ブランド品の横行など「ニセモノ天国」と揶揄される中国だが、今回は「世紀の発見」と世界が注目しているだけにデッチ上げと分かればイメージダウンは必至。政府の面子にかけても真贋に決着をつけたいところだ。(編集/Oh!)



   

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