杭打ちデータ偽装、日本建築業界の「高品質神話」が崩壊―中国紙

Record China    2015年11月23日(月) 9時46分

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20日、日本ではこのほど、旭化成建材が杭工事を請け負ったマンションで傾きが確認され、杭打ちデータの流用・改ざんが発覚するという事件があった。

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2015年11月20日、日本ではこのほど、旭化成建材が杭工事を請け負ったマンションで傾きが確認され、杭打ちデータの流用・改ざんが発覚するという事件があった。調査が終了した2376件のうち、約1割の266件の工事でデータ流用などの不正行為が発見された。少なくとも50人の現場責任者が改ざんに関与しており、違反が常態化していた。さらに調査の中で、杭打ち工事最大手のジャパンパイルにもデータ偽造問題があったことが発覚した。日本の世論は、この事件によって日本建築業の「パンドラの箱」が開かれ、「高品質神話」が崩壊の危機に晒されたと見ている。人民日報が伝えた。

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▽業界大手が関わる事件、日本の施工現場管理の抜け穴が発覚

問題の発覚した杭打ち工法「ダイナウイング工法」は旭化成建材の独自技術で、2004年には「国交大臣認定」を取得している。同社のウェブサイトによると、同技術は先端に2枚の鋼製羽根が付いた特殊な既製コンクリート杭を採用。従来の工法に比べ残土発生量を大幅に低減でき、大きな荷重の建物を支えられる点などを売りにしていた。

旭化成建材の杭打ち工法では、杭が支持層まで到達したかどうかは現場の音と振動で判断するため、データ管理が厳格ではなかった。また、見落としたデベロッパー側も責任を免れない。調査の結果、元請施工業者の三井住友建設は監督を施工現場に派遣せず、「一流の杭打ち企業」に全権を委ねていたことが判明した。当時、同マンションの杭打ち工事は8人体制で行われたが、そのうち7人は三次下請け会社の者で、旭化成建材の現場代理人は別会社からの出向者だった。

日本メディアは、「こうした難度の高い施工技術は設計者、デベロッパー、建設業者の3方が設立した監督管理組織がなければ施工の質を確保するのが難しい」と報じている。

事件発覚後、建築業界の複数の関係者がメディアに対し、「同様の問題は日本の杭業界において他にも存在する」と暴露した。特に小規模な杭工事会社の現場管理は把握しがたい。ある業界関係者は「単純にデータを流用することが業界内で常態化しており、請負業者は見てみぬ振りをしている」と語る。工期を遅らせないため、現場管理者は問題を発見しても改善要求を出しづらいのが現状だ。

事件を受けて、日本のその他の杭工事会社も相次いで自主調査を始めた。ジャパンパイルはこのほど、18件のプロジェクトで工事データを他の工事から流用していたことが明らかになった。「杭偽装問題」の影響は今も拡大している。

国交省は建築、法律など各分野の専門家からなる対策委員会を設置し、再発防止策を検討している。日本建設業連合会も杭打ち工事の管理と監督に向けた手引き作成に着手した。

日本では2005年以降、建築物の耐震強度データを偽装する事件が相次いでいる。日本政府は関連の建築基準および審査制度を改正して対応しているが、法律界の関係者は「第三者審査機関を導入し、建築物の質の監督を強めるべき」と指摘する。

日本の建築物はこれまで、「頑丈で耐久性がある」ことで有名だった。安倍首相も、「高品質」を売り言葉に海外に日本のインフラをアピールしている。旭化成建材の杭偽装問題は日本建築の神話を崩壊させ、東京五輪に向けヒートアップする東京の不動産市場に冷や水を浴びせることとなった。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)

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